青羽の家を飛び出した湊斗。追いかける青羽。
二人の帰りを待つ佐倉くんと弟の光。
「ダメ。佐倉くん邪魔だから。邪魔しないで。」
光の湊斗推しには何か理由があるんだろうけど、きっと紬が振られた時の落ち込みようを弟ながら知ってるから。そして苦しい時に紬を救ってくれた湊斗への信頼がすごいんだろうなあと思う。でも佐倉くんにどこまで光の言葉が伝わったかわからないけど、「邪魔」って言われるのはしんどいだろうなあ。だって邪魔に見えるけど、湊斗の涙は本当は佐倉くんへのものだから。
家に戻って来た紬と湊斗。
またどうせファミレスへ行くのに、上着を脱いで手を洗うあたり、紬も相当緊張してるのが伝わる。こういう細かい描写が上手いんだよね。
「ご飯行こう。ファミレスでいい?」
「え、やだ。この4人でファミレスとか絶対嫌だ」
「この4人でファミレスとか行くわけないでしょ。このふたりは置いてく」
「ええ〜」
「じゃあ、あとよろしくね!行くよ!」
ちょっとこのやりとり笑ってしまった。
光の素直な発言と言い方が妙にツボなんだよね。でもこの3人にはこのくらいズバッと気持ちを言える人が必要だと思う。
"青羽なんて?"
"光とご飯行くって。二人で話せって。"
おもむろにタブレットを取り出す佐倉くん。
最初に紬と話した時と同じような、すぐに文章にしてくれるタブレットにあたふたするようなやりとりを湊斗がして行くのかなあ〜なんて安易なこと思ってたけど、全然違った。
「ごめん、紬。機嫌悪くて」
「なんか食べ行ったなら大丈夫」
「そう、お腹減ってるとね。余計に」
彼氏しか知らない情報を二人して共有して笑いあってるのしんどい。
二人の彼女になれる世界線どこ?????教えろ?????
「帰って死体あったらどうするよ。成人男性二人をどこ埋めるよ」
「なんでどっちも死んでんの?今頃私の悪口で盛り上がってるよ、多分」
「えっ、元親友同士で?今カノと元カノの悪口で盛り上がってんの?ウケる」
「……」
「全然ウケない。なんも面白くない」
「あのふたりはちゃんと話せば大丈夫。大丈夫」
自分に言い聞かせるように頷く紬。
話が盛り上がって、佐倉くんが聞こえないことを忘れて立ち上がってしまう湊斗。
反応しなくなったタブレット。聞こえない世界。気づかない湊斗。
「みなと…」
呼ばれた名前。戸惑う湊斗。
きっともう、2度と自分の名前を呼んでもらうことはないって思ってたんだと思う。久々に呼ばれた名前はやっぱりあの頃とはきっと声のトーンとか違うだろうから、嬉しいのか悲しいのか、湊斗はどういう感情だったんだろう。
「喋ったほうがいい?」
家族の前でしか言葉を発さなかった佐倉くんが、多分途轍もなく勇気を出して発した言葉。
「喋りたくなかったから、喋らなかったんでしょ。だったらいいよ。想が好きな方で」
どこまでも優しいね。どこまでもふたりは相手のことを思いやっていて、それが見ていてすごくしんどい。
「ほんと、全然変わんないね」
「湊斗だって変わらないじゃん」
「何が?」
「病気のこと、黙っててごめん」
きっと佐倉くんは湊斗にもっともっと怒りをぶつけられると思っていたと思う。
でもどこまでも佐倉くんのことを心配して、そのままでいいよ、って言ってくれる湊斗は高校生の頃から何も変わってなくて、それが嬉しくもあり苦しかったんだと思う。
「紬、大丈夫だよ。この3年、ずっと一緒にいたけど、ずっと元気。想の心配なんかいらない。付き合いだした頃、サッカー部のみんなからなんでお前なんだよってつりあわねえよって言われたけど、周りがどう思ってても、俺も紬も好きで一緒にいるから、任しとけ、とまでは言えないけど。でも、今の紬も、ちゃんと楽しそうだから。心配しないで。」
「任しとけ」とまでは言えないのが湊斗の優しさであり弱さであるのかなあ。
十分、十分すぎるほど、湊斗は魅力的だし全然つりあわなくないのに、それ以上に「佐倉くん」の存在が二人にとって、周りにとって大きすぎたのかなあ。
そしてこの言葉を聞いて悲しそうに笑う佐倉くんがしんどい。大好きじゃん…まだ全然大好きじゃん…。
「想、高校の時から全然変わってなかった。そのまんまだった」
「わかる。話してみると、あ、佐倉くんだってなるよね」
「変わってなくてよかった。想があんな感じだったら、こっちも気遣わなくていいっていうか」
コンビニでばったり会う佐倉くんと光。
飲んだぶんのビールはきちんと買って渡すあたりがこの人もすごく気遣いだよね。
そして冷たいこと言うくせに、ビール一本返すあたりが光の優しさだよね。
きっと聞こえないから届かないのに、「じゃあ、車に気をつけて」って言えるのも優しさがにじみ出てる。紬の弟だね。
ばったり会ってしまう紬・湊斗カップルと佐倉くん、奈々。
なんとなく気まずい。手を繋いでる姿を見てしまって、付き合ってる二人を実感してしまう。
この8年、あんなに会うことがなかったのにあの再会からこんなにも偶然会ってしまうのが運命の恐ろしいところだよね。
紬に彼氏がいて、その彼氏は想くんの友達と知った時の奈々が悲しそうで、あ、この子本当に純粋に、ただただ佐倉くんのことが好きなんだなって思った。あざといけど、ただただ純粋に好きなだけなんだよね。
「いつか別れた時のこと考えちゃうから、女の子と付き合うの勇気いるって。付き合い始めた彼女に言うなよって思ったけど」
「なんか、ぬるっと付き合い始めちゃったから」
「確かに」
「もし、別れても。別れたとしても、別れるまでに楽しいことがいっぱいあったら、それでいいのにね」
「うん、別れないのが一番いいけどね」
「そうだね」
この時から湊斗は別れることを考えていたのかな。
でもここの言葉って、高校生時代の付き合っていた青羽と佐倉くんのことを言ってるようにも聞こえて。別れたとしても、それまでに楽しいこといっぱいあったよねって、青羽に言ってるようにも聞こえるんだよ。
「なんか無視したみたいでごめん」
「こっちこそ」
「隣にいたの彼女?」
「友達」「隣にいたの彼女?笑」
紬を振る前に、想に彼女がいないかきちんと確認しているようにも見えて辛い。
そして、冗談で「隣にいたの彼女?笑」なんて自分で送っておきながら辛そうな顔する佐倉くんもしんどい。
思わず見つめ会う佐倉くんと湊斗。こんなの、恋が始まるやつじゃん。イケメン二人で何やってんだよ。需要ありすぎだよ(うるさい)
フットサルに誘う湊斗。
「なんて言うのかな、大丈夫だなって。みんな、元に戻れるなって。戻れたら、俺は嬉しいなって。俺はね」
最後まで見た後にこのセリフ聞くと、何度も何度も「俺はね」って、あくまでも俺の意見だよって伝えていてしんどい。どこまで優しいの…。
紬も湊斗も、「何にも変わってない。」って言うけど、二人は確かに何も変わってないわけで。生きてれば訪れる成長や環境の変化でしかないわけで。でも佐倉くんは、やっぱり「変わった」んだと思う。性格や見た目はそのままでも、やっぱり「音が聞こえていた」時と「音が聞こえない」時とでは全然違うんだと思う。環境も、つるむ友達も、できること、できないことも全然違うんだと思う。それを二人に伝えないで、「みんなに気を遣わせるから」ってあくまでも周りのことを優先するの、本当に優しい人だよね。私だったら、私の何がわかるの?って思うと思う。3人とも優しすぎるんだよなあ。いいとこなんだけどね。
紬と湊斗が一緒にご飯を食べるシーン。
ここがすごくいいなって思ったのがさ、食卓に並ぶ料理たちが、多分ほとんど全部お惣菜なんだよね(笑)紬が作ったとかじゃなくて、外で買ってきたものたちを二人で美味しそうに食べながら話しているのがいいなあ〜って思ったんだよね。どちらも無理しない、無理して料理しない、美味しいものを美味しそうに食べる二人の雰囲気、すごくいいなあ〜って思った。
湊斗に電話する光。
寝言で湊斗の名前呼んじゃうくらい湊斗のこと好きなんだよ。
「日曜、一緒にフットサルする?」
「しない。体動かすの嫌い」
「だよね。紬はちょっと借りるんだけどね」
「借りるって?」
「通訳お願いするだけ」
「ああ…ね」
「光も手話覚えれば?紬に教えてもらってさ」
「…なんでそんなこと言うの?なんで手話覚えろとか言うの?」
正直、3話の予告で湊斗が紬に「お願いがあって…」と言っていたシーンを見た時から、ああ、湊斗は別れることをお願いするんだなって思った。もうめちゃくちゃ伏線じゃん…もうさ。
「なんでいるの?」
「通訳さんです。お出迎えに来た。よろしくお願いします」
「……」
「本当に不安な顔しないでよ」
「青羽ならいてもいなくても一緒だと思う」
青羽がいてちょっと嬉しそうな佐倉くん。
こうやってちょっと悪態つきながらじゃれてるのが二人の可愛いとこだよね。
「青羽も試合するの?」
「いいよ、やっても同じチームでも文句言わないでよね!」
「同じチームはやだよ」
「なんで」
また、湊斗とは違う雰囲気になるんだよね。このふたりだと。どっちがいいとか悪いとかじゃないんだけど、全然違うんだよね。
「なんか、全然佐倉くんだね」
「佐倉くんだよ」
「高校の時のまんま。全然変わってない。呼んだら振り向きそう」
「それね」
「佐倉くーん!久しぶり〜頑張って!あ、なんか通じたっぽい!お〜い!」
マコちゃんもすごくいい友達だよね。そして本当にみんな佐倉くんのことが大好きすぎて辛い。もう大好きじゃん。大好きだから何にも言わずに離れていったこと。許せなかったんだろうな。
「想、飲み物買い行こ」
って言われた想の顔が嬉しそうで、あんな話になるなんて一ミリも思ってなくて。辛い。ただただ辛い。
「紬、お願いがあって。」
「うん」
「別れてほしい。別れてほしい」
「え?」
「別れよう」
「なんで?」
「好きな人がいるから」
それはもう、最高のアイラブユーでしかないことを私たちも紬も知っちゃってんのよ。湊斗ってやつは、もう、その好きな人は紬であり、想なんでしょ?でも二人だって湊斗のこと大好きなんだよ?
自販機で飲み物を買おうとする湊斗。
横からコンポタのボタンを押す想。
出て来たコンポタを眺める湊斗。
ちゃんと、ふたり分の水を買って渡す想。
もし、もしだけど、コンポタを受け取らせることで、結果的に紬の元にそのコンポタが行くことを想定して押していたのだったら、これはこれでアイラブユーだよね。紬の好きなものを今でも覚えていて、それを間接的に紬に届ける。勘のいい湊斗だから、出て来たコンポタを眺めた時、そう考えたんじゃないかな。
「久しぶりに会ってどう?みんなと。大丈夫?」
「(頷く)」
「そっか。だよね。紬も大丈夫?俺のせいで会うの気まずい?紬、ちゃんと食べて寝てるかだけ、それだけは気にかけてね。この3年、本当は楽しくなかったと思う。行きたいとこ、食べたいもの、欲しいもの、俺全部、なんでもいいよって紬の好きでいいよって言うから、つまんなかったと思う、紬が教えてくれた、音楽とか映画とか、いいねって感想しか言えなくて、俺本当つまんないから、想は違うからいいんだけど、大丈夫なんだけど…」
(スマホを取り出して、湊斗に話しかけようとする想を制す湊斗)
「紬、想の横にいるときが一番可愛いんだよね。知らなかったでしょ。いつも自分が見て来た紬だって思ってるでしょ」
「みみ、聞こえないんだよ?」
「耳、聞こえないだけでしょ?他、何にも変わってないから、ちょっとは性格歪んでないかなって少しは期待したのに。別に、想のためとかじゃなくて、どっちかって言うと、紬のためで、本当に本音を言えば、自分のため。俺がしんどいだけ。ふたり見てて、ふたりがどう思ってるか、何考えてるかわかるから。言ったじゃん。みんな戻れると思うって。戻れたら、俺は嬉しいって。」
「みなと…」
「呼んであげて?紬も、つむぎって。喜ぶから。」
湊斗にとって、想は、好きな人作って、紬を一方的に振った奴で止まっていて、だから紬が想と再会しても、不安はあるけど、別れは選択していなかった。でも自分も再会して、話す中で何にもあの頃と変わっていない(ように見える)想を見て、身を引いたんだと思う。でも、誰も笑ってないよ?誰も得してないよ?誰も望んでないよ????紬も想も湊斗も誰かじゃなくて自分をただただ責めてて、それが辛い。みんな優しさの塊だから、気遣いの塊だから、それが全部全部うまくいかなくて辛い。みんな幸せにはなれないの?もうみんな幸せになればいいじゃん。
正直、4話は泣かないぞと決めてたんですけど、まんまと泣きましたよね。
難しいなあ〜なんでこんなシンプルなのにこんな難しいんだろう〜。そう思いながらもう大号泣でした。5話もめちゃくちゃつらそうな予感しかないですが、見届けるぞ〜!どうかみんな幸せになれ!