碧のサカナ

V6.嵐.ジャニーズWEST.ハロプロについてお話しします。

圧巻の「silent」第11話(最終回)

 

 

高校生の頃の回想シーン。

 

「つむぎ、、、珍しいよね。名前」

「そうかな?」

「うん。青羽以外に会ったことない」

「佐倉くんも漢字珍しいよ。妄想の想。」

「他にもっとあるでしょ」

 

「え、何が珍しい?私の、何が珍しい?」

「ん?名前」

「うん、私の何が?」

「だから、青羽の名前が珍しいよねえ〜って。ん?」

「いや…」

「ねえ」

 

 

 

この「silent」っていうドラマの結末は、想が紬のことを声で、名前で呼ぶことなんだと私は結構序盤の方から勝手に思っていて、それがなんでもないこの最終回の冒頭にふと自然な流れで急に呼ぶもんだからびっくりした。と同時に何だろう、なぜかちょっと切なかった。

 

「紬」って名前を呼んで欲しい紬と、分かっていてちょっと焦らして遊んでいる想。

この二人のやりとりがたまらなく愛おしいと同時に、高校生の頃の想が紬を手招きして呼んだ幸せで可愛い「ねえ」と同時に、今の、8年後の、紬が想を呼ぶ絶望の「ねえ」に移動するからたまらなく切なかった。もうずっとこのシーンから泣いてた。

 

 

「ねえ」

 

目を合わせようとしない想。咄嗟に付箋を持ってくる紬。

 

「(声出さない)」

「(笑わない)」

「(電話しない)」

 

「(音楽きかない)」

「(つらくなるなら)」

「(ぜんぶやめる)」

「(それでも一緒にいたい)」

 

紬の方を向く想。想をじっと見つめる紬。

お互いの目から涙が溢れる。

 

 

 

「(一緒にいたい)」

 

 

苦しそうな顔して、ペンと付箋を紬から取る想。

でも、でも、何も書けない。

お願いだからなんか言ってっていう紬の声が、思いが、聞こえてきそうな眼差しに私も泣く。

 

苦しくて、苦しくて、思わず家から飛び出す想。

偶然帰ってきた光。

 

 

 

ちょっともう、苦しすぎて、もうただただ瞬きすら忘れて見入っちゃった。

そして泣いてるのも分からないくらい、気づいたら泣いてた。8年前、大好きだった「電話」「声」それらを全部取ったって、それでも一緒にいたい。そう思う紬と、8年前大好きだった「電話」「声」それらがどうしても聞けないのなら、一緒にいるのは辛すぎると思う想。どうしたら、どうしたらお互いがつらくないところに着地できるんだろう。こんな答えのない問いがあっていいの?

 

 

 

 

家のチャイムが鳴って、そこには湊斗。

 

「はい、これ」

「ん?」

「光に頼んだでしょ?これ、もってこいって」

「……」

「光にはめられたなあ」

 

 

玄関の前まで帰ってきたのに、想の様子を見て何かあったと悟って湊斗を要請する光、世界一できる弟すぎひんか?????ここで、自分でも、誰でもない、湊斗に行かせるところ、湊斗なら、この二人を何とかしてくれると思ってるところ、湊斗には悪いけど、本当、湊斗しかいないんだよね。

 

 

「これ、全部でいくら?」

「いいよ。プレゼントしたつもりだったし」

「そっか、あの時持って帰らなきゃだったんだ」

「全然、意思疎通できてなかったね」

「そうだね…ほんと…」

 

 

今の自分の状況に重ねるかのように言う紬。

 

 

「……」

「大丈夫だよ」

「何も聞いてないよ」

「……」

「1個だけ、想ってダメだなあって思うところあって、」

「え?」

「想の見てる青羽って、高校生の’’紬ちゃん’’で止まってるんだよね。青羽の変わってないところばっか見てる。逆に、青羽はすぐ今の想のこと受け入れて、今の想のこと、ずっと、ちゃんと見てて、ちゃんとお互いのこと見てるのに、見てる時間だけ違ってる。8年分ずれてる。」

 

 

湊斗の言葉が客観的に的を当てすぎててグサグサ刺さってもう、何だよ、天才なんか???なあ???

 

8年間、という月日はみんな平等に流れているのに、想はずっと、あの紬と最後にあった公園から月日が止まってる。自分がこの8年で変わったことを実感すればするほどに、紬が変わっていないように思える。でも、8年経てばそりゃあ紬だってもちろん変わってる部分はあって、特に高校生から、の8年はね、考え方も経験も’’大人’’になって行く。この8年で変わったものを受け入れていこうとする紬に対して、想はあの頃の希望しかなかった頃から立ち止まっている。「電話」も「声」も捨てていい紬に対して、どうしても捨てきれない想を的確に現してくる湊斗は、本当に…君ってやつは…。

 

 

 

 

奈々と待ち合わせする想。

なんか、また一段と奈々さん、可愛くなったよね。

 

「手話教室の先生…」

「だからどうもなってないよ。何で気にするの?妬いてるの?」

「……」

「私と彼がうまくいかなかったのは聴者とろう者だからじゃないよ。私がそう思い込もうとしてただけ。昔の似ている誰かじゃなくて今のその子をちゃんと見たほうがいい。私たちは俯いてたら気づけないんだよ。見ようとしないとダメだよ。」

 

 

これを奈々さんが想くんに言う世界ってすごいよね。なんかほんと、奈々さんの人間性には脱帽だよ…って感じ。同じような経験を、思いをした奈々さんだからこそ言える言葉だし、だからこそ想も奈々に聞きたかった言葉。奈々さんにちゃんと今のその子を見なさいと言われた想のハッとする顔も良かった。

 

 

「もう一回ちゃんと話したい」

「それで最後にするから」

「どこなら話しやすい?」

 

同じタイミングでLINEがくる。この二人って多分自然とそういうタイミングが合う二人なんだよなあ。

 

「一緒に行きたいところがある」

 

 

 

 

 

 

帰ってくる光。手話の本を見て一生懸命に勉強している紬。

 

 

「週末、ちょっと帰るね」

「何で?」

「話し合い…みたいな」

「何でそれ見てんの?」

「話したいこと、話せるように」

 

 

最終回前の番宣で川口春奈ちゃんが「紬は想のためにっていつだってやってきたのに、その紬の気持ちを考えると苦しかった」って言っていて、本当にそうだなあってこのシーンを見て改めて思った。私は耳が聞こえるから、どうしても想の気持ちは自分に置き換えるのが難しくって、だからこそ、想になるべく寄り添いながら見てしまう癖があるんだけど、これ、全部紬の気持ちに寄り添ってたらまた違う苦しさがあるなあと思った。想がこの耳の聞こえない世界で聴者とまた寄り添えるように、必死に受け入れてもらえるように、紬は手話を勉強して、きっと紬だって大好きな音楽や想の声を聞けないのはとてつもなく苦しかっただろうに、そんなのは一旦置いておいて、想のためにって、また話せるようにって手話を勉強してきた日々を思うと苦しくてたまらない。

 

 

 

 

久々の古賀セン。

 

「お前らいーっつも放課後残って、ずーっと喋ってて。何イチャついてんのかと思って廊下で聞き耳立ててたんだけど、大したことない、しょーもない話しかしてなくて」

「すいません。ありがとうございました」

「いってらっしゃい」

 

 

第10話は「ありがとう」の回でもあるなあって話をブログに書いたんだけど、それを色んな人に「ありがとうございました」って返して行くのが11話。そしてそれに対して「行ってらっしゃい」って送り出す周りの人々。みんなに心配かけて、そして応援されてる。

 

 

 

「想、来ないって?」

「今日は気分じゃないって」

「何だよ、あいつ」

「ずっと考えてたんだけどさ、二人が再会してなかったら、そしたら今頃って、」

「お前さあ」

「そしたら今頃、想とまたああやって普通に話せてなかったんだって。周りは勝手なこと言うけど、俺は良かったんだよね。かわいそうとかって、他人だから言えちゃうんだよ」

「湊斗くん、絶対幸せになってね」

 

 

 

 

私も途中まで、湊斗そんなこと言い出す???って聞いてたら、またもや湊斗の深い深い想への愛情をまざまざと見せつけられて、もう全然違う意味で捉えようとしてた自分をぶん殴ってやりたい気持ちになりました。拓実が全視聴者の気持ちを代弁してくれて、良かった。今もこれからも幸せな湊斗であれ。絶対あれ。

 

 

 

 

休憩中。紬と拓実のシーン。

 

「青羽さん、社員になるんですか?気にしません?この間の人」

「かわいそうだから?耳聞こえなくてかわいそうだから?歌詞カード読みたいって言っても、タワレコ行きたいって行っても、音楽だから触れさせないの?かわいそうだから?そう言う、耳聞こえないならこうだって決めつけた考え方しかできないほうが、よっぽどかわいそうだよ。私もそうだったけど。」

 

 

さっきの湊斗の「他人だからかわいそうって言えちゃう」の次のこのシーン。

そして次の春尾先生のシーン。

 

 

「春尾くんの良いところは、聞こえない人をかわいそうだって思ってないところだよね」

「思ってないです。憧れる人もいるくらいです」

 

 

実際に耳の聞こえない想や奈々に触れて来た人が言う「かわいそうじゃない」。そして湊斗が言うように、「他人だからかわいそうって言えちゃう」田畑くん。田畑くんが悪いように聞こえちゃうかもしれないけど、そういうことではなくて。どっかで、ヘラヘラのんきに生きてる聴者の私は、確かにこのドラマを見るまで、そう思っていた部分もあって。それは少なからず、耳の聞こえない人と深く関わったことがないすべての人が割とそういう思いって持ってるんじゃないかと思う。でもこのドラマの脚本家の生方さんもプロデューサーの村瀬さんも、何かのインタビューで言ってたんだけど、このドラマを作る上で「耳の聞こえない人がかわいそう」っていう、そういうドラマにはしたくなかったって。たまたま、好きだった人と再会したら耳が聞こえなくなっていただけって。そういう思いがね、すごい伝わってきたシーンだなあと思ったし、最後の最後にしてちゃんと主要キャストではない登場人物をみんな映してくれるのもね、すごい嬉しかった。

 

 

 

タワレコに来た真子ちゃん。

 

「私ができることある?」

「ありがとう。泣いて帰って来たら、背中さすって?」

「わかった。さする練習しとく」

「泣いて帰る前提やめて」

「…いってらっしゃい」

 

 

私の第二大好きのひとり、真子ちゃん。(ちなみにもう一人は萌ちゃん)

真子ちゃんみたいな親友欲しいって思わせてくれる適度に気遣いで、適度にズバズバ無神経ぶって聞いてくれる。ここでも「ありがとう」と「行ってらっしゃい」だね。

 

 

 

群馬の実家に帰った紬。

お母さんに髪をといてもらう紬。

最後の最後、名シーン揃いだったけど、まさしくここは名シーンだったね。

 

 

「お別れするときこそね、全部、相手に渡さないとダメ。中途半端にすると、自分の中に残っちゃうから」

「未練?」

「思い出。思い出残ると厄介だから、投げつけて来な」

「大切に取っとけとか言わない?」

「良いの良いの。そのうち美化されて原型なくなるんだから。投げつけてきな」

「できるかな…」

「できなかったらお別れしないほうがいいってことだから」

「そっか…」

 

お母さんの方を振り向く紬。何か言いたげにお母さんを見つめるけど、また前に向き直す。顔見るとね、泣いちゃうからね。鏡越しくらいがね、ちょうどいい時もあるよね。

 

 

「死んじゃう前に…投げつけたの?」

「ううん。取ってある。すっごい美化されてるから、思い出す度、楽しい。」

「それはそれでいいね」

「縛ってく?」

「ううん。下ろしてく。」

「うん」

「ありがと。行ってきます」

「行ってらっしゃい」

 

 

何だろうなあ、もう私が何か感想を書いてしまうほうがすごくしょうもないものになってしまいそうで怖いから、もうただただた名シーンだったねって言って終わらせたい。本当は最終回丸っとそういう気持ちで、感想書きたい!!!みたいな気持ちに初めてならなかったんだけど、でもせっかくここまで書いて来たんだから、残しておきたいなあっていう気持ちで何とか書いてます(笑)

 

ポニーテールって、8年前の紬の象徴でもあると思うんだけど、それをね、しないで行くっていうところ、紬は今を生きているし、覚悟を決めた感じがかっこよかった。

 

 

 

学校。あの、二人が初めて話した教室。あのくだらない話をたくさんした教室。

 

「何でここに来たかったの?」

 

って聞こうとする紬に、目すら合わせずに手話を見ようとしない想。

そっか。見ないと、目線がこっちにないと、この二人は会話できないんだって、そんな当たり前のことに今更気づかされて、また泣いた。

 

会話を止められて、悲しそうな顔をする紬。

もっと悲しそうな顔をする想。

 

咄嗟に立ち上がって黒板へ向かう紬。

 

 

「(なんで教室?)」

 

想の方は見ない紬。これなら答えてくれるかなって、でも押し付けようとしない。黒板だけを見つめる紬。

 

「(なんとなく)」

「(来ないと思った)」

「(くるよ)」

「(一緒にいるのつらいなら会うのやめる)」

「(再会できてよかった)」

「(また話せてよかった)」

「(また好きになれてよかった)」

 

ポツリと一粒の涙を流す紬。

想の顔を見るけど、目は合わない。

覚悟を決めたかのようにまた黒板に向かう紬。

 

 

「(元気でね)」

 

荷物を持って教室を出ようとする紬。

黒板に向かう想。

 

 

「(人の声が聞こえないこと当たり前になってたのに)」

「(青羽の声が聞こえないことだけ受け入れられなかった)」

 

黒板に向かい直す紬。

 

「(声ださないよ)」

「(笑わない)」

「(電話しない)」

「(音楽きか)」

 

一生懸命に手で文字を消す想。

奪い取るチョーク。白くなった想の手を優しくはたく紬。白くなった黒板。

 

 

 

やっと、やっと目が合うふたり。

 

 

 

 

「一緒にいると辛いことがある。きっとこの先も一緒にいれば辛いと思うことが増えて行くと思う。その度にこの前みたいに青羽に当たるかもしれないし、次は本当にもう会いたくないと思うかもしれない。長く一緒にいれば、青羽の周りの人も巻き込むことになるしそれで青羽が傷つくこともある。そういうこと。青羽と会って話すたびに悩むことが増えて一緒にいていいのか迷う」

 

「言いたいこと、全部言えた?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでも今は、一緒にいたい。」

 

 

 

 

 

 

 

「私も」

 

 

 

 

 

 

 

「いつもゆっくり私にわかるように手話してくれるのすごい嬉しかった。でも、本当に言いたいことちゃんと言えてるのかなって不安にもなる。佐倉くんが言いたいこと全部言えるまで待つし、手話ももっと覚える。受け取れるように頑張るから、伝えるの諦めないでほしい。人それぞれ違う考え方があって、違う生き方して来たんだから分かり合えないことは絶対ある。他人のことかわいそうに思ったり、間違ってるって否定したくもなる。それでも一緒にいたいと思う人と一緒にいるために、言葉があるんだと思う。多分全部は無理だけど、できるだけ分かり合えるように、たくさん話そうよ。言葉にできないときは、黙って泣いてもいいよ。私も黙って背中さするから。」

 

 

 

どの言葉もどの思いも全部全部残したくて、全て文字起こししてしまったんですが、なんかもう初見で見たとき、ただただ泣いてた。そしてこの感想を書くためにもう一回見てもただただ泣いてた。文字起こしするためにまたもう一回見たけど、また泣いた。

 

絶望の10話が終わったとき、もうこの二人がくっつこうがくっつきまいがどっちでもいいって思ったんです。どっちにしろもう、二人が決めたことで二人が幸せに生きてくれてればもういいからって。

 

と、同時に二人はどうなるんだろうってすごくすごく考えたんです。その結末が、「今は一緒にいたい」なの、すごく二人らしくって、もうなんかなぜかどこの目線なのかわからないけど「ありがとう」って思った。

 

先のことはわからない。

むしろこれからの方がいろんな現実に直面して行くかもしれない。

だけど、「今は一緒にいたい」それが二人が一番言いたかったこと。投げつけたかったこと。

 

 

 

今まで、スマホを抑えたり、手を抑えたりして手話を封じるってことはあったけど、目線をそらすってことで、相手に言葉を言わせないってこともできるんだってこの教室の冒頭のシーンで思った。でも、それでも黒板に「書く」ことで、会話ってできる。結局は「伝えたい」「受け取りたい」って気持ちが大事なんだと改めて教えてくれたね。

 

 

 

 

体育館に来た二人。

 

「もうちょっと後ろじゃない?」

「私がいた場所知らないよね?」

「知ってるよ」

「嘘。知らないでしょ」

「知ってるよ。そのとき青羽のこと知ったんだよ」

「ん?」

「みんな興味なさそうで早く終わらないかなって顔してたのに、一人だけまっすぐこっちを見てる子がいてずっとその視線が気になってた。遠目に見ただけだし、名前も知らないし、あの子は何組の誰なんだろうってずっと思ってた。3年生になったら、同じ視線を感じて、仲良くなったらあの作文欲しいって言われて、やっぱりあの子は青羽だって、だからあのときいた場所知ってる」

 

 

え、泣かないとかある?

 

 

学年1の美男美女が、お互いのことを初めて認識した場所が同じで、しかも二人とも美男美女だから好きになったんじゃない。最初に気になった「声」と「まっすぐ」が今もお互いの好きなところで、変わらないなんて、そんなんさあ…好きじゃん…泣くだろう。

 

それを初めてここで伝えてくる想ってやっぱりなんていうか私たち(私と紬)を弄んでるよな(ちがう)

 

 

 

あのときの作文。大事に大事にとってたんだろうなあっていうのが分かるくらい褪せてなくて、それだけで泣ける。

少し照れながら今度は手話で「言葉」を読み上げる想。あの頃と違うのは、紬だけに向かってる。二人しかいない空間で、好きな言葉を紡いでる。

 

 

帰り道。告白した高校生の頃と同じ。二人で手を繋いで帰る紬と想。

 

 

 

 

 

実家に帰って来た想。

あんなに明るい表情で帰ってくる想、初めてじゃない?

クリスマスの準備をしている佐倉家可愛い。

 

何かわかったような顔して外にでるお母さん。

緊張した顔で挨拶する紬。緊張するよね…

 

「なんかこう、こっちは頑張って知ってる単語並べて話したりするじゃない?あの子ちゃんと答えないで、よく笑って誤魔化したりするからさ、ちゃんと伝わってんのかなあ〜って」

「はい、心配になるとき…」

「そうだよね?あるよね?よくわかんないとき、ちょっとこうめんどくさいなあって顔されたり」

「意外と顔に…」

「出るよね?顔にも態度にも」

「そっか〜やっぱそういうのは変わんないんだなあ〜家の外でも。あのね、何かを楽しむよりも何かに傷つかない方を優先して欲しかったの。でも楽しそうなのを見るのが結局やっぱりホッとする。楽しそうでよかった。紬ちゃんは?」

「楽しいです」

「うん、ならよかった。」

 

 

家族と同じ顔を紬にも出せてるのが知れてなぜか私もよかったって思えた。

ここのね、想のお母さんと紬の会話がリアルで本当に二人とも演技うまいよね。なんかもうそれだけでこのドラマいいドラマだなあって思える。

想がなるべく傷つかないようにずっとずっと過保護なくらい守って来たお母さん。でも楽しい方が安心するってそう変化を受け入れられるのもすごいことだよね。想くんのお母さんも想の変化とともに変わっていってる。

 

 

そのあとの佐倉家のシーンも可愛いんだよなあ〜。

全部全部文字起こししたいけど、もう全部文字起こししちゃうことになるからやめときます(笑)

 

 

 

駅の待合室に入る紬と想。ドアを開けてくれて、先に紬を入れてくれる姿にきゅん。

 

「何とって来たの?」

 

iPodを見せる想に驚いた顔をする紬。

紬の耳につけるイヤホン。

流れる音楽。スピッツの「魔法の言葉」

音楽をきく紬を嬉しそうに見る想。

 

スピッツの「スカーレット」

 

「離さない このまま 時が流れても」

 

想の言葉を代弁するかのように流れる音楽。紬の表情をみる想。

わかってるのかわかってないのか、楽しそうに音楽を聞く紬。

 

 

 

 

 

 

真っ暗な夜、家から出て来た萌ちゃん。

私の第2推しの一人。こんな夜遅くに出歩いちゃダメだよ!可愛いんだから!ってつい過保護になってしまう私。

 

どこの向かうんだろうと思ったら光の元。

光、夜なんだから家まで行ってよ〜!!!しかも自分が持って来てって頼んだ手話の本のくせに〜〜〜〜!!!(萌に激甘)

 

 

「はい持って来たよ」

「なんで本で勉強したの?佐倉くんに教わればいいじゃん」

「お兄ちゃんより先に勉強してたの。病気わかってすぐ。そっちこそ紬ちゃんに教わればいいじゃん」

「……ありがと」

「恥ずかしいんだ!!ねえ!!恥ずかしいんでしょ!ちょっと待ってよ!!ねえ!!」

「追いかけてくんなよ」

 

 

 

ナニコノカワイイヤリトリ。

不器用だけど優しさに溢れてる光と、全部全部わかっててからかう萌ちゃんとか私が見たかったやり取りでしかないんですけど????え???

 

うまく立ち回れなくていい逃げする光めちゃんこ可愛いし、それを追いかける萌ちゃん激かわいい。あんたらそんな急な階段登って、若いって素晴らしいな(笑)

 

 

湊斗と待ち合わせする想。

 

「みなと」

 

湊斗の前では声を出す想。信頼してるのが伝わる。

 

「大丈夫?」

 

きっと紬と想のことを気にかけてずっと心配していた湊斗。

 

「だいじょうぶ」

 

そんな湊斗に声で伝えて、よしよしするの無茶苦茶愛じゃん。

 

 

 

 

 

 

花屋さんに入る奈々。嬉しそうな顔してお花をみる奈々。

「大きな花束を持ってる人見かけて幸せ」を感じる湊斗が見かけた、大きな花束を持って歩いてる奈々。

 

 

「お・す・そ・わ・け」

 

一つ選んでいいよって言われて、あの花束の中でかすみ草を手に取る湊斗が本当、どこまでも湊斗だよね。一瞬派手なお花は他にもたくさんあるのに、雪の結晶みたいなかすみ草を選ぶの。

 

 

クリスマスイブにいつもの居酒屋でビール飲む奈々と春尾先生。

 

「お花は音がなくて、言葉があって気持ちが乗せられるんだって」

 

「お返しが欲しい」

「一方的に渡しといて?」

「クリスマスだから」

「クリスマスプレゼント何がいいの?」

「欲しいハンドバックがあるの」

 

 

どうかこの二人も幸せでいて欲しいなあと願わずにはいられない。

くっつこうがくっつきまいが、そういうことじゃなくて、再会してまた会うようになったこの関係性がずっと、長く続けばいいなあって思う。まあ、欲を言えばそうなって欲しいけどね。

 

 

 

想との待ち合わせのカフェに来たのは湊斗。

 

「これ渡しに来ただけ」

「え、ありがとうどうしたの?」

「おすそ分け」

「おすそ分け…戸川くんの分、あるの?」

「俺のぶんはいいよ」

「そういう人だよね。雪の結晶みたい」

 

「え、本当にこれだけ?」

「想、代田で待ってるって」

「勝手だなあ。本当に」

「じゃあ、またね。行ってらっしゃい」

「うん。またね」

 

 

 

奈々と待ち合わせする想。

心なしか、あの頃よりも嬉しそうにテンションが高い想。

奈々のことは、今でも大事な友達だもんね。

 

リュック確認する想。いたずらっ子みたいな顔で可愛い。

「もうやだな〜」って顔で笑う奈々可愛い。

 

「おすそ分け」

「ありがとう」

「用事って?」

「これ」

「これだけ」

「じゃあ、私これからデートだから」

 

驚いた顔するそう。お茶目に冗談を言う奈々。

 

「またね」

「またね」

 

 

それぞれがそれぞれにかすみ想をおすそ分けしてもらって、「またね」って行って別れる。湊斗が言うように花束を持った人が「幸せ」なら、それは「幸せ」のおすそ分けだね。

 

 

歩きながらふとスマホを手に取る想。

電話が鳴った紬。「佐倉想」

 

「待ってるね」

「行くね」

 

耳が聞こえなくったって電話できる。なんなら顔見て話せる。最高だね。

 

 

 

1話のラスト。紬がイヤホンを落とすシーンと同じベンチに座っている想。

 

「佐倉くん」

 

本に夢中で気づかない想。

 

 

「そうくん」

 

顔を上げる想。

 

駅で歩きながらかすみ草を差し出す紬。

同じかすみ草を持っている想。

 

「あ、じゃあ」

自分のかすみ草を渡す紬。

 

「プレゼント交換。クリスマスだから」

「本当に交換しただけだね」

 

いつかの、高校生の頃のクリスマスと同じ。同じイヤホンを交換した時と同じ。プレゼント交換。

 

 

 

かすみ草をコートのポケットに入れてる想可愛すぎんか?

紬のトートバックからはみ出しているのも可愛い。

 

 

「イルミネーション見に来たのに、話しながらだと全然見れないね」

「別にいいよ」

 

「いいよね」

 

 

「青羽の声、もう聴けない」

 

また悲しい話になると思ってこわばる紬。

 

「青羽の言葉が見えるようになってよかった」

「私も」

 

愛おしそうに紬の表情を見る想。

 

「今何か言いたいことある?」

 

何か考えるように笑って、手を握る想。

ゆっくり、ゆっくり噛みしめるように歩いて立ち止まる二人。

 

「ねえ」

 

二人だけには分かる。魔法の言葉。

涙を流す紬。笑い合う二人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや〜〜〜〜〜〜〜ようやくここまで書きました。

もう最後は感想も何もなくってただただストーリーを書き起こしただけでしたね(笑)でもそのくらい、私が言葉にできることなんか何もなくって、ただただもうあの映像が全てを物語っていた。それくらい圧巻の11話でした。

 

なんかもう、最初は私リアタイすらしてなくって、録画はしてたけど、まあ暇な時見てみようかな〜くらいの気持ちでいたこのドラマ。1話終了後に、なんかやばいらしいぞと言うツイッターの情報から、これは2話が放送される前に見ないといけないんじゃないかと思って見始めた「silent」。そこからもうリアタイどころか、生きる楽しみにすらなっていた。1話が良すぎたから、2話以降大丈夫かな?なんて勝手に思ってたんだけど、そんな心配全然必要なかったですね。心配するのが失礼なくらい。てか失礼。

 

川口春奈ちゃんの演技がいいのは、「着飾る恋には理由があって」で知ってたんだけど、なんかもう本当にすごかった。本当に本当にすごかった。特に泣きの芝居がね、もう毎回すごすぎて、毎回心情ごとに違うのも本当にすごかったし、最終回だけでもね、もう本当にすごかった。私のボキャブラリー「すごい」しかないから、もうこれが最大限の称賛だと思ってください!!!!!

 

目黒くん、このドラマでちゃんと目黒くんの演技を見るのは初めてでした。今や朝ドラも毎日見てるよ(笑)SnowManファンの友達にCD貸してもらうくらいには好きだよ(笑)大好きだよ(笑)本当に難しい役どころだったと思うんだけど、忙しい中、本当に引き込まれる演技を見せてくれてありがとう。回を増すごとにぐわ〜〜〜と引き込まれる表情をして、もう本当にすごかった(ごめん!すごいしか私ボキャブラリーないから!)

 

もうね、このドラマに出てる全ての役者さんの演技が素晴らしくて、もう一人一人書きたいくらいなんだけど、ちょっとそれはあまりにも長すぎるからやめます。でも本当に書きたいくらい!!!でも既に10474文字書いてるから(笑)このブログが今までの記事の中で最長じゃない???大丈夫???みんなここまで読んでくれてる???絶対見てないでしょ!!!

 

 

最終回ドキドキしながら見守ってましたが、本当に圧巻の最終回でした。

どこもやんや言うところがない。全てを包み込んでくれました。

本当に毎週木曜日の楽しみをくれてありがとう。

大好きな、大好きなドラマの一つに間違いなくなりました。

シナリオブックもポチったので届くのたのしみにしてます。本当に本当にありがとうございました。そして、お疲れ様でした!!!!

 

 

 

 

 

 

 

大洪水を作った「silent」第10話

 

紬の家にCDを借りに来た想。

いつかの、1話の、湊斗と寝ていた明け方と同じ雨。

 

「好きなの、借りていいよ」

「ケースと中身が違う」

 

「高校生の時も何枚か貸すと中身入れ替わって戻って来た」

「青羽、変わんないよね」

 

 

 

高校生の頃から変わらない紬の性格。

「中身とケースをよく考えずに閉まっちゃう」

「お腹が空くと機嫌が悪くなる」

「まっすぐ」

 

どれもこれも「変わらない」ことを嬉しそうに話す想。10話を最後まで見てしまった私は、もうこの部分を涙なしには見られないんだけど、この時の嬉しそうな顔はきっと想の本心。「変わらない紬」のことがあの頃から大好きな想。

 

洗い物をするためにポニーテールに結んだ紬。

紬はきっと全然狙ってなくて、「想がポニーテールが好きなこと」もきっとこの時は忘れてる。ナチュラルに出来ちゃう子なのよ。紬は。

 

それを嬉しそうに見つけてちょっかいかけにいく想。

ここね、すごい好きだなあと思ったのが、ポニーテールが好きとか言ってるくせに、髪じゃなくて紬の表情を見てるんだよね。髪の毛触って遊んで、すぐに視線を紬に向けてる。ああ、想が好きなのはポニーテールじゃなくて、紬なんだなあって。「紬がしてるポニーテール」が好きなんだなあって思った。

 

スローになって、音がなくなる。

こんなに大好きな人の笑顔が近くにあるのに、声が聞こえない。何を言っているのか正確にはわからない。「耳が聞こえない」ということって、こういうことなんだって思い知らされた気がした。

 

きっと高校生の頃にもこのじゃれあいをしたであろう二人。

あの頃と同じ髪型で、同じことをしてじゃれあってるのに、あの頃と違う大きいこと。それが同じことをすればするほど、変わらないと実感するほど、浮き彫りになって、想を苦しめる。

 

こんなに微笑ましいやりとりなのに、なのに見れば見るほど涙が止まらなかった。

 

 

 

 

光の大学にレポートを届けに行く想。

雨に濡れないように服の中に隠してるのかわいい。

光が想と話そうとしてスマホを取り出す。咄嗟に光の落ちそうになった傘をすくい上げる想。

こういう細かい描写が本当うまいよね。

 

「この後、暇?」

「(頷く)」

「牛乳、買って帰らないといけない」

「俺、スマホより重いもの持てないから。一人で牛乳買いに行けない」

 

 

すぐに音声変換アプリを起動できるくらいには、いつでも想と話せる準備が出来ていた光。

 

まだレポート届けてくれたお礼も言ってないし。

もうちょっとくらい一緒にいてもいいけど。

って声が聞こえて来そうな表情で、不器用に想を誘う。想も全部全部わかっていて、思わず笑いながらコクっと頷く。たまらんかわいい。

 

 

 

「レポート間に合った?なんか…大丈夫だった?意思疎通っていうか…」

「うん」

「あれ、牛乳買ってくれたの?姉ちゃんも買って来ちゃった」

「どうしてもスーパー行きたいって。佐倉くんが、どうしても俺と一緒にスーパー行きたいっていうから」

「買い物付き合ってあげたの?」

「うん」

「牛乳、ついでに買ってくれたの?」

「うん」

「ありがとう」

「佐倉くんがお金出してくれた。どうしても出したいっていうから。ちゃんとありがとう言ったから」

「うん」

「文字で、だけど」

「うん」

 

 

紬も全部全部わかってる。

少しずつ、少しずつ想に歩み寄ろうとしてる光のことも、それをちょっと照れ臭くて恥ずかしくて素直に言えないことも、全部わかってる。光が「ありがとう」って伝えたかったけど、何かを理由にしないと言えないから、牛乳を買ってきたのもわかってる。

 

 

 

紬のバイト先に来た萌ちゃん。

紬を見つけて、洋服をサッと着崩れてないか直す萌ちゃん。緊張しているのが伝わる。こういう細かい描写がね、すごいよね。

 

「別に会いに来たわけじゃなくて。渋谷来て、タワレコ寄ろうかなって、で、見たことある人いるなって。こないだ、お兄ちゃん久しぶりに帰って来て…ありがとうございました」

「いや、私が帰れって言ったわけじゃなくて…」

「ありがとうございますってお母さんも言ってて…」

「はい…」

「KPOPどこですか?」

「ああ、5階です…」

 

 

お兄ちゃんと話すときとは違うちょっとよそ行きの声でぎこちない表情で話す萌ちゃん。

 

違う形で、お互いの兄姉に「ありがとう」を伝えた光と萌。

わざわざそれを言いに東京まで、渋谷まで、来た萌ちゃん。紬には多分、そこまで伝わってないけど、でもちゃんと私たちには届いてるよ。いつだって、兄姉想いな二人。ちゃんとわかってる。

 

 

 

 

自分の病気の遺伝について調べる想。

ここで「silent」ってタイトル出してくるのしんどい。

 

大好きなスピッツのCD。唯一、今の想の家にある紬のバイト先で買ったCD。聞こえない想が「CDを買った」それはすごく大きく進んだ一歩のような気がしたのに、また光のない目で画面を見つめる想。

 

紬といるとどうしてもこれからの未来のことを考える。

それはもちろん希望でもあるけど、でも今の想にとっては不安が大きい。

「結婚」「出産」そんなことを考えるとどうしても自分の病気が遺伝してしまうのではないかと、紬との未来を考えれば考えるほど、とてつもなく辛い思いを抱えてしまう。きっと、紬と再会する前には考えなかったこと。また新たな壁に想はぶち当たっている。

 

 

 

 

 

 

 

春尾先生と奈々。

そう言えば、私いつから「風間ぽん」って言わなくなったんだろう。気づけば春尾先生って書いている気がする。それくらい、みんなの名前、もうスラスラ覚えちゃったね。

 

 

あの頃と同じ。「ノート」に手紙を書く奈々。

 

「あの頃のこと、謝ろうって思って会いに行ったのに、話せなかったから手紙にします。顔を見ないで話せたらよかったんだけど、手話って、こういう時、不便なんだね。聞こえる人に囲まれて、必死に目で文字を追いかける毎日で、春尾くんが私の顔を見て必死に手を動かしてくれることがすごく嬉しかった。早く手話だけで話せるようになりたかった。でも、間違えてるよって教えたいからちょっとだけ間違えてて欲しかった。春尾くんが手話を仕事にするのが嫌だったわけじゃない。自分とは違うとは思い知って、辛くなってしまっただけ。私は手話ができるけど、聞こえる人の通訳はできない。春尾くんは、手話ができて、聞こえない人の通訳ができる。優しくしてくれたのに、受け入れられなくて、ごめんね。」

 

 

最初、あんなにあざといって思ってた奈々のこと、私たちはもう「かわいい」って思える。そして「優しくしてくれたのに受け入れられなかった」のは、いつかの想くんも同じ。奈々が友達ができるようにって紹介してくれたろう者の友達を、奈々の優しさを、どうしても受け入れることができなかった。奈々も同じような経験をしてたから、だからあの時の想の気持ち、ちょっと分かったんじゃないかな。

 

 

紬の元に小走りで向かう奈々。

めちゃくちゃいい子じゃん。

 

「大丈夫です。チャック、閉まってます」

「紬ちゃんと会う時にわざわざ開けないよ」

 

 

紬って本当にまっすぐで、ピュアなんだなあって思った。

1ミリもわざとだなんて思ってない。むしろ心配して、チェックしてる。

それに対しての奈々の返答もよかったなあ。ちょっとあざとい顔してお茶目に言うの。ひとりごとみたいに。そうだよね、そんなの、好きな人の前でしかしないよね。

 

 

「手紙ありがとう」

のLINEに、

「手紙で返事欲しかった」

っていう奈々。そうだよね。私が奈々でもそう言うよ。

奈々も想や紬と同じくらい「言葉」を大切にしている人。

 

 

紬の家でご飯を食べる奈々。

この二人、いつの間にそういう仲になってたの!!??って驚きだったんだけど、みんなどう?この二人は絶対に交わらないって言うか、普通だったら、私だったら絶対もうあの時で最後にしちゃうから、だからこの二人の何だろう、やっぱりまっすぐさとかピュアさなのかな、それがそういう壁を取っ払ってくれるのかな、なんかすごいなあって、尊敬した。

 

 

 

いつものカフェで待ち合わせする想と紬。

ヘアアレンジしてる紬って初めてじゃない??おしゃれしちゃうよね。好きな人の前だもんね。あの頃と同じ。会う前に前髪を確認する紬。変わってない。何にもあの頃から変わってない。だけど、紬が聞いている音楽を、つけているイヤホンを一緒に使うことはもう2度とない。

 

 

手をつなごうとする紬。

一瞬、嬉しそうな顔するのに、すぐに離してしまう想。

 

「手話しにくいから」

「あ、そうだよね。ごめん…」

 

ポケットに手をしまう想。

 

心が張り裂けそうだった。紬の気持ちになると、どれだけ悲しかっただろう。手話しにくいからって言うのに、ポケットに手をしまうのはさ、それはもう拒絶でしかないじゃん。

 

タイミングよく踏切が降りる。家まで送ることもなく、そこで別れる。

またねって手を出しても、タッチしてくれない。

立ち止まって振り返る想。紬だって振り返るのに、タイミングが合わない。両思いなのに、噛み合わない二人。

 

 

 

 

「帰るね」

「ご飯食べよう。ウーバー頼もう」

「じゃあ外で食べよう。青羽、帰ってきちゃうでしょ」

 

 

いつだって気遣いな湊斗くん。お花はもらうより渡す方に幸せを感じる湊斗くん。

 

そして鉢合わせしてしまう紬と湊斗。実は別れてから顔をあわせるのは初めてな二人。

一瞬の紬の表情でも「なんかあった」ってわかる湊斗と光。

今までの湊斗くんだったら「ううん、何も」って言われても紬に寄り添っていたのに、それはしない。もうできない。

 

 

 

バイト先。休憩中の田畑くんと紬。

 

「自分だったら、タワレコなんて一生入れないです」

 

 

「可哀想ですね」って言った時に、ちょ、おま、田畑フザケンナヨって思ったんですよ。おま、それ以上喋んじゃねえぞって。何も知らないのに想のことパブリックイメージで語るなよって。でもこの一言で、いや、わかってなかったの私じゃん…ってズドーンと落とされた。そうだよね。ほんと、そうだよね。当たり前のように、この2話から9話までの間で、私たちは、私は、想は紬と再開して、徐々に聴者とろう者の壁がなくなっていることを感じていると思っていた。けど、それは想が歩み寄っていたからで、普通は「タワレコ一生これない」と思う。そうだと思う。そんな当たり前のことを、忘れていたことをスーッと思い出して、そしてズドーンと落とされた。そんな言葉だった。

 

 

 

 

 

奈々と春尾先生。

またこうして二人が一緒にご飯を食べられる仲になって本当によかった。

救いだった。

 

「何で手話を仕事にしたの?」

「ろう者ともっとコミュニケーションをとって、理解しようと頑張れば自分でもわかりあえるかもしれないって思った」

「どうだった?」

「手話はコミュニケーションの手段でしかなかった。言葉の意味を理解することと相手の思いがわかることは違った」

「そうだね」

「聴者にいろんな人がいるように、ろう者にだっていろんな人がいたし、いろんなろう者の人と出会ったけど桃野さんみたいな人は桃野さんしかいなかった。結局は伝えたいとか受け取ろうとかそう言う気持ちがあるかどうかなんだと思う。」

(笑う奈々)

「何?」

「大人になったね」

 

 

いつだって春尾先生は的確なことを言う。なんかもうほんと、10話を最後まで見ると、この言葉がずしんと重くのしかかって、もう本当にそれなんだよなあって思った。「言葉」って何だろう。「手話」って何だろう。その答えはコミュニケーションの「手段」でしかない。同じ言語を喋っても、手話同士で会話しても、声で会話をしても、伝わるか伝わらないかは結局は「伝えたい」「受け取りたい」の意思があるかどうか。この何年かで春尾先生はそれを学んだし、「大人になったね」って返す奈々は、きっともう「手話はコミュニケーションの手段でしかない」ことには気づいていた。

 

 

湊斗が居酒屋にやってくる。

同時に同じこと話す奈々と湊斗最高に可愛いね。

毒舌奈々に、どう訳していいか困惑している春尾先生も含めてめちゃくちゃ可愛い。

 

私たちの気持ちをここにきて超、饒舌手話で全てかっさらっていく奈々様最高だな。

 

「バカバカバカバカ」

 

こんなに可愛いバカある?

そして「通訳必要になったら指名するね!」も回収して行くのすごい。

 

 

 

「本当に仲良いね」

「はい」

 

この後にあのシーンですよ。私まずここで泣いたもん。初見、リアルタイムで観てた時、まずここで泣いた。

 

踏切の近くで待つ想。

湊斗の家の方向からして絶対後ろから来るのに、反対側向いて立ってるの、もう、名前呼んでほしいんじゃん。

 

想の姿を見つけて駆け寄ろうとするけど、やっぱり下がって、LINEする湊斗。

 

「想!」

 

いたずらっ子な顔で何かをふと考えて、振り向く想。

私たちはこの笑顔を知っている。

その笑顔を見て笑顔になる湊斗。想の元に駆け寄る。

 

8年前と同じなのに、8年前よりも少し大人になった表情に、本当に役者さんたちすごいなって思ったんだけど、ここなんてまさしく「変わらない」ことの象徴のシーンだよね。聴こえなくても変わらない。「名前呼んだら振り返ってくれた」その事実は変わらない。

 

湊斗と想の友情関係ならそれで最高に幸せなのに。

再会したことがただ単によかったと思えるのに。

これが相手が「好きな人」になるとそんな簡単にいかないから苦しい。

 

 

 

湊斗の家に来た想。

紬を象徴するパンダのぬいぐるみを思わず寝室に投げ入れる。

いつ見ても、ほんといい家住んでるハイスペック湊斗。

 

「ありがとう」

「早く他にも手話覚えろ。いつまで機械に頼ってんだよ」

 

 

第10話は絶望だと、私は思っているんだけど同時に「ありがとう」の回でもある。

誰かが紬と想に「ありがとう」を伝える回。それが救いでもあった。

 

 

紬とは違う口調で、ちょっとからかうように言う想。

「男同士の会話」って感じで微笑ましい。

 

あの時泣きながら湊斗が話した「一緒にお酒飲もう」って約束をもう何の気兼ねなく出来てるのも嬉しかった。

 

 

紬からのLINE。複雑な顔をする想。

 

 

「耳が聞こえない以外、何も変わってないって言ってくれたけど」

「変わったことが大きすぎる」

「好きだから一緒にいるの辛くて別れたんでしょ」

「同じ」

 

 

「想が決めたことなら、別にどっちでも、何でもいいけどさ、俺、想みたいに青羽のこと想にあげるなんて言ってないし、二人に、付き合って欲しいとも、付き合ってほしくないともどっちとも思ってないよ。二人の好きにしたらいいって思ってる。俺もう部外者だから。関係ないから。でも、また青羽に何にも伝えないで勝手にいなくなるとかは絶対許さないから」

 

 

 

普段穏やかに優しい口調で話す湊斗が、最後のところだけ、震えた声で怒りを含んだような早口で言うの、苦しいしかなかった。一番二人を近くで見てきた湊斗が8年前のあの想の決断と別れ方は「間違い」って直接的な言葉は使ってないのに、諭してくるのすごい。同じ間違いを2度と繰り返させないために湊斗なりの言い方で伝えてくるのすごい。

 

 

 

 

 

紬の家に来た想。

10話の冒頭のシーンと同じアングル。でも、晴れてる。外は晴れてる。心と天気はいつだって同じだって限らない。

 

ふと目に入った紬のイヤホン。

想の表情を気にしながら言葉にする紬。

 

ゆっくり自分の耳にイヤホンをはめる想。

震える指で音楽を再生する。音を上げて行くけど、それは聴こえない。

目に涙をためて紬の方を見る想。

 

思わずイヤホンをとる紬。

 

 

 

「名前、言って」

「なまえ?そうくん」

 

聴こえない。

絶望した顔で紬から視線を外す想。

一歩近寄って、あの頃、8年前に最後にあった公園の時みたいに背中をさする紬。

 

8年前と同じ間違いは繰り返さない、そんな紬の意思が感じ取れて苦しかった。

 

 

 

「青羽、どんな声してる?」

「声?変わんないよ。佐倉くんが知ってる、高校生の頃と今も同じだよ。ねえ、どうしたの?最近、ずっと気になってた。たまに、寂しそうにするの、私が見てくれるなら言葉にするって言ってくれたじゃん?なんか、言いたいことある…」

「青羽の声、思い出せない。あの頃したくだらない話とか、一緒に見たものとか全部思い出せるのに、青羽の声がどうしても思い出せない。」

「手話で話せるよ」

「目の前で楽しそうに笑ってるのに笑い声が聞こえてこない。駅で再会した時、手話で何て言ってるかわからなかったでしょ?別れた理由言ったんだよ。電話もできなくなるし、一緒に音楽も聴けなくなる。そうわかってて一緒にいるなんて辛かった。だから別れた。」

「あの頃はそう思ってたってことでしょ」

 

 

 

 

1話のラストシーンと同じ手話で、別れた理由を伝える想。あの頃はなんて言われてるのか分からなかった紬。でも、今はわかる。想に出会って手話を覚えた紬なら分かってしまう。想の苦しみが、今は分かる。もう分かる紬だからこそ、想はずっと言うのを躊躇っていて、一人で抱え込んでいた。「伝えたい」「伝わらない」がずっとテーマだと思ってたのに、ここにきてものすごくシンプルな「聴きたい」「聴こえない」がテーマになってくるの、すごくしんどい。

 

 

 

 

 

 

「ねえ」

 

 

「やっぱり辛かった。一緒にいたいだけって言ってくれて顔を見て一生懸命に手話で話してくれて嬉しかった。でも一緒にいればいるほど話すほど、好きになる程辛くなって行く。青羽があの頃のままだってわかるほど自分が、変わったことを思い知る。」

 

 

 

高校生の頃の二人。

帰ろうとする想。紬の方をみる想。紬はそれに気がつかない。

そっと音楽を止める想。

 

 

「佐倉くん!」

 

 

大好きな紬の声を嬉しそうに噛みしめる想。

聞こえてないふりをしてイヤホンを取る。笑い合う二人。

 

 

 

 

 

「佐倉くん?」

「声が聞きたい。もう聞けないなら、また好きになんてならなきゃよかった」

 

 

 

 

絶望でしかなかった。

10話かけて、辿り着いた答えが結局8年前に想が先回りして決断した答えと同じだったの、絶望しかなかった。そんな「同じ」なんていらない。あんなに「同じ」が希望でしかない言葉だったのに。何だよそれ。何だよ…。

 

 

紬と再会した1話。そしてここまでの2話から9話までの想が、段々紬や湊斗との交流を持っていって、変わったのも事実で。確かに楽しいと、嬉しいと感じていたのも事実で。でも、好きになればなるほど、あのどうしようもなく好きで別れを告げた1話に戻ってくるの、つらいけど、めちゃくちゃつらいけど、分かる気もする。人間の気持ちってそんな簡単じゃないから。再開して、たしかに楽しい日々を過ごしてきて、またあの時の、8年前のあの別れを告げた時の、気持ちがどうしても湧いてきちゃう。またあの頃の気持ちが戻ってきて、やっぱりつらいってなっちゃうの、どうしようもない。進んだからこその、感情。

 

 

 

 

他は何だってしてあげられる。でも、「声が聞きたい」だけはどうやったって叶えてあげられない。そしてそう思わせて、想本人を、辛くさせているのは、紬自身だってことが絶望しかない。自分と一緒にいることが結果的に想を辛くさせているの、そんなの…

 

 

リアルタイムで初見で見たとき、おいおい泣いた。

嗚咽出るくらい泣いた。1話のラストシーン見たときと同じくらい泣いた。

 

 

10話は「変わったもの」「変わらないもの」が裏テーマとしてあった気がするけど、変わらない紬を実感すればするほど、好きが募っていって、そして自分の「変わったもの」の大きさを実感する。8年前、こうなることが辛くて別れたのに、8年経って、同じことに傷つく。それだけ本当に本当に紬のことが大好きなんだなあって、もうそんな安っぽい言葉にしかできないけど、でもそう思った。

 

脚本書いてる生方さんがこのドラマが始まる前に「スピッツの楓みたいなお話を書いてる」ってツイートしてて、ああ多分このドラマのことだなあって後から思ったんだけど、今回の10話を見て、「忘れは〜しないよ〜時が流れても〜」って私の頭の中のスピッツが歌っててそれでまた泣いた。「さよなら〜君の声を抱いて〜歩いて行く〜」8年前の最後、紬が「想くん」って呼んでくれた、その声だけをずっと覚えて生きていこうって決めただろう想くん。でもどうしてもその声が思い出せない。その事実を思って泣いた。

 

 

 

 

 

 

正直、めちゃくちゃ感想ブログ書きたいのに全然もう1回見ようって気持ちになれなくて。それだけ絶望で、何回見ても泣けてきそうで、このブログ書き始めてから3時間くらい経ってます(笑)ようやく最後までかけた。そのくらい辛くて辛くて、絶望でした。もう正直付き合わなくてもいい。どうか、お願いだから二人が幸せに笑顔で生きて欲しいと願うばかりです。

 

もう本当に来週最終回???ねえ、ほんとに???まじで??????

って感じだけど、心して。あと一週間待ちます。頑張ります。最後まで頑張って見届けます。

 

 

 

 

 

苦しいと可愛いの第9話「silent」

 

2話のあの公園のシーンからのスタート。

紬目線で描かれていた2話の後の想くん目線の続き。

 

何回見ても、この、笑顔で想くんに手を振る紬はまだ少し今より幼い顔してて、想くんのこと大好きなのが顔に出ていて可愛い。

 

最後にもう一回だけ、もう一回だけ振り返って、小さく手を振る想くんも可愛い。なのにこれがあの8年前の恋の最後なんだって私たちはもう知ってしまっているから、だから、どこか切ない。

 

 

泣きながら、逃げるように実家に帰る想くん。

(ごめん、余談だけど佐倉家の階段、めちゃくちゃ急だな)

 

 

「誰かと会ってたの?紬ちゃん?」

「ねえ、聞かれても言わないで。」

「ん?」

「うち来るかもしれないから。湊斗とか」

「隠さなくても…」

「隠して」

「親しい人に話した方が力になってくれるんじゃないかな」

「どうやって?…誰がどうやって、力になってくれるの?」

 

 

 

心が張り裂けそうになる。

誰がどうやって?その答えをお母さんも私たちも知らない。その答えが無いことを、想くんも分かってる。分かってるから、答えの出ない問題を突きつけた。

 

 

 

2話で、本当はあの公園に紬を呼び出した時、想は耳のことを伝えようとしていて。でも、紬の言葉を聞いていると、それがどんどん言えなくなってしまって、そして冒頭のあのシーンに戻る。想くんはどこで、どのタイミングで、紬にも湊斗にも、誰にも「言わない」決断をしたのだろう。

 

そしてずっと想のお母さんが、想を聴者から引き離しているように感じてたんだけど、それは想くんの意思だったんだね。想が、お母さんに頼んだこと。お母さんにできることは、もう、その願いを叶えることしかないから。だから、こんなにも頑なに、想を聴者の友人から引き離していた。

 

 

 

 

たくさんおかずを作って想の家に持って行こうとするお母さん。

 

「辞めて大丈夫なの?推薦でしょ?大学受かったの。サッカーできなくなったのにさ、居ていいの?大学」

「こういう状況なんだから追い出されるわけないでしょ」

「でも引っ越したんでしょ?」

「うん、部活の寮だからね」

「ほら、追い出されてんじゃん」

 

 

想に対して、敏感になっているお母さんと、それがどうしても寂しくて、やるせなくて、突っかかった言い方をしてしまうお姉ちゃん。どちらの気持ちもわかる気がするから苦しい。お母さんが出て行く背中をみるお姉ちゃんの顔が想、想って、お母さんは想のことばっかり考えすぎなんだよ!って言いたげな気がしてつらい。お姉ちゃんだって、もちろん想のことは心配だけど、でも…、その複雑な心境がわかってつらい。

 

 

 

「サッカーのものは?しまっちゃった?」

「すてた」

「ねえ、これ見て。想も自分で調べたかもしれないけど、耳の聞こえない人たちだけでやるサッカーなんだって。サッカー続けたいでしょ。別にさ、聞こえる人たちに混ざってしなくても、こういうのだったらお母さんだって安心だし。耳の聞こえない人と関わる方が、想のためにも」

(補聴器を外す想)

「どうした?耳鳴り?」

「やめて。耳聞こえないって、それ…耳聞こえない、耳聞こえないって言わないで。そういうの聞きたくない。…まだ聞こえるから。」

「ごめん」

 

 

最後のお母さんの「ごめん」がほとんど声になってなくて。音だけ。吐息だけの音で、その「ごめん」が今まで聞いた「ごめん」の中で一番苦しかった。

 

お母さんが想のためにと思って用意したものも、想にとっては全て現実を突きつけられるものでしかなくて、お母さんが力になってくれると言ってくれた友達も、紬も、全部全部この時の想にとったら「耳が聞こえない」ことを突きつけられてしまうものでしかない。サッカーも同じ。

 

 

 

 

ぎこちない様子でCDを運ぶ紬。

スピッツのコーナーでふと立ち止まる紬。思い出すのはきっと想のこと。

 

 

 

 

お正月。帰省した大学生の頃の想くん。

お母さんの問いかけも聞こえない。明らかに耳が悪くなっているのが分かる。

湊斗からの年賀状も、受け取るそぶりを見せない。

ふと目に入ったCDラック。

 

 

「お兄ちゃん帰ってるの?靴」

「うん。部屋にいる」

 

嬉しそうな顔をして、急いで鞄をおろして階段へ行く萌ちゃん。かわいい。

本当にお兄ちゃんのこと大好きなのが分かる。

 

 

「あんま元気ないっぽいからテンション気をつけな」

「なにそれ」

「なんか、調子悪いみたい。急に、また」

「聞こえにくくなってんの?大丈夫でしょ。補聴器あんじゃん」

「まあ、万能じゃないんだよ」

「萌、みんなより手話できるし。話せなくても喋れるし」

 

 

 

萌ちゃんが一番最初に家族の中で手話を覚えたって言ってたけど、でも本当は一番萌ちゃんがお兄ちゃんと声で会話できなくなることを現実として受け止めきれきれない部分があったと思う。それは年齢的にも。

どこか受け入れ切ったように話すほかの家族の様子を見て、怒ったように言う萌ちゃん。そんなの、泣かずにはいられなかった。

大人になるとね、受け入れてなくても受け入れたような顔して過ごさないといけなくなるんだよね。それができちゃうようになるんだよね。萌ちゃんがそれに対して素直に感情を露わにするの、すごく切なかった。

 

 

萌ちゃんの想に対しての向き合い方ってすごく直接的。萌にしかできない向き合い方。お母さんもお父さんもお姉ちゃんも思うことはあるんだけど、それを想に感情のままぶつけることはない。それは多分、所謂「大人」だから。「大人」だから、我慢するし、気遣うし、相手の顔色伺って、一歩先を読んだりする。萌ちゃんにはそれが出来ない、出来てないって意味ではなくて、萌ちゃんはそれを全部抱えた上ですごくストレートに言葉をぶつける。ちょっと違うけど、アプローチとして光くんもそうだよね。この二人の兄、姉に対しての向き合い方が私はすごく好き。

 

 

 

 

 

何か落ちたような物音。

部屋に行くお母さん。紬からもらったイヤホン。流れている音楽。スピッツの「魔法の言葉」。紬が好きだって言ったあの曲。泣いている想。

 

 

 

「想?」

「なんか、壊れたみたいで、イヤホン。」

「補聴器どうした?つければ聞こえるよ?大丈夫、大丈夫。イヤホンじゃなくったって聞こえるんだから。」

 

「こっちが壊れたかな…」

「大丈夫だから」

 

「…ねえ、声、出てないよね?さっきからずっと、喋ってるつもりなんだけど、声、出てないよね?なんか…言ってよ」

 

 

繰り返し、繰り返し「なんか言ってよ」と言う想に、なにもかけてあげる言葉が見つからないお母さん。必死に泣かないように、泣いてしまったら認めてるようで、必死に、我慢してるお母さん。今できることは体温を伝えることしかできなくて、想の体に手を差し伸べるけど、想には届かない。大粒の涙を流す萌。咄嗟にお母さんを離すお父さん。

 

 

近くにあった補聴器を想のそばに置いて、手を差し伸べる。だけどその手もどうしていいか分からずに、戸惑いながら、でも力強く想の膝を叩く。なにも言わない。ただただ体温を伝えることでしか、今の想には伝わらない。

 

 

 

 

 

6話でこの時に割れたCDたちを萌ちゃんが自分の部屋に持っていって泣くシーンがあったけど、ああ、そっか。この時に目の前で割れたCDだったんだ。だから、萌ちゃんはそれを見て泣いたし、お父さんはそんな萌ちゃんを何も言わずに優しく頭を撫でて寄り添ったんだなあと思って、また泣けた。

 

 

 

 

 

 

想の部屋で散らばったCDから紬のバイト先での様子に切り替わる。

お正月に実家に帰らない紬。実家に帰ると嫌でも想のこと思い出すから、きっと意図的に帰らない紬。

 

 

 

 

 

 

「このまま買い物行く?一回帰る?」

「あーごめん、これからお母さん、想のところに行くから」

「え、買い物付き合ってくれるって言ったじゃん。お母さんいないとわかんないよ。赤ちゃんのやつ」

 

「まだちゃんと言えてないんだよね。向こうの親に。想のこと。聞こえないってことじゃなくて。なんていうか…理由?原因。遺伝性ってさ、お母さんの子供が耳聞こえないってことはさ、私の子もあり得るってことだよね」

「あるかもしれないけど…」

「え、どうすればいいの?もし同じ病気だったら」

「想が生まれた時は…なんともなかったから」

「生まれた時はでしょ。もう今ほとんど聞こえないじゃん」

「萌、買い物手伝うから」

「最近補聴器もしてないでしょ?もう意味ないって。この子も同じだったらどうしたらいいの?私のせいじゃん。私のせいで耳聞こえなかったら…」

「なんでそうやって自分のことばっかりなの?想のことも考えなさい!」

「自分のことじゃないよ。自分の子供のことだよ。お母さんにとっては想が子供だからでしょ。私だって同じだよ。自分の子供のことがいちばん心配だよ。お母さんと同じだよ。私と萌だって、お母さんの子供だよ?」

 

 

きちんと、深くは描かれていないけれど、お母さん側の方に耳の聞こえない人がいて、きっとその遺伝から想くんの病気はきてる。だからこの家族の中でいちばんお母さんが想の病気に関して敏感になっている。

お姉ちゃんはお姉ちゃんで、子供ができて親になろうとしていて、それが遺伝からくるものであるならば、自分の子にも…って不安になるのは当たり前。そして想が病気になってからずっと、自分と萌のことは後回し、いつも想、想って気にかけているお母さんに内心ちょっとうんざりしていて、そしてずっと寂しかったんだと思う。

萌ちゃんは萌ちゃんでずっと大好きなお兄ちゃんと家族の間で気を遣ってどうにかバランスを保とうとしていて、それが健気で切ない。

 

家族なんだけど、気持ちは一つではない。想の病気のことに対しても感じ方も向き合い方もそれぞれ違う。それぞれ自分の生活や考えがあって、それが家族だとしても全てが交わる訳では無い。それがすごくリアルで、だからこそ苦しかった。

 

 

 

 

 

生まれた赤ちゃんの検査の日。

 

「いいよ、毎日来なくったって。大変でしょ」

「そんなこと言わないでよ。来たくて来てるんだから」

 

 

前回のセリフと同じ。

来たくて、来てるだけ。自己満足。ちゃんとお母さんはお姉ちゃんのことも大事に思ってる。

 

 

無事に聞こえていた赤ちゃん。

でも、「想も生まれた時はなんともなかった」ことを知っているから、私は内心怖いままだった。きっとそれは、想の家族みんなそう。

 

 

 

 

 

現代。

部屋でCDの整理をしている紬。

ふと歌詞カードを見る。

 

iPodごと借りたことあってさ、高校生の時」

「よかったやつ、わざわざCD買ったの?」

「そんなお金ないよ。お店で立ち読みしたの」

「立ち読み?」

「CDのレンタルのお店で。歌詞。」

「なにそれ、検索すれば出るじゃん。歌詞」

 

 

 

 

音楽好きな人と、

「言葉」を大切にしている人、

どっちにも当てはまる紬だからこその言葉。それを聞いて、なんか色々察する光。なんか色々。この人も萌ちゃんと同じくらいお姉ちゃん思いの気遣い屋さん。

 

 

 

「手話覚えなくても大丈夫?」

「うん、大丈夫」

「湊斗くん、できないもんね。」

「うん」

「でも仲良しだもんね」

「うん」

「なら、大丈夫か」

「うん、大丈夫、大丈夫」

 

 

「佐倉くん」の文字は一度も出て来てないのに、当たり前かのように「佐倉くん」の話をする二人。あんなに湊斗の仲を応援していたのに、想に歩み寄ろうとする光はただただお姉ちゃんの幸せを祈ってる優しい弟。「佐倉くん」と「仲良く」なろうとする光。

 

 

 

 

 

実家で何かを探す湊斗。

多分silentファンはみんなもう、この時点でなにを探しているのか気づいていたよね。

相変わらず即レスな想くん可愛い。

 

 

わざわざ河川敷で待ち合わせる二人猛烈に可愛い。

湊斗が先に来て想を待ってるの、解釈一致すぎるし、お互いがお互いを見つけて笑顔になってるの、それ、大好きな人にするやつなんよ。まあ、間違ってないか。

 

想くんの歩き方がなんかモデルみたいでちょっと笑った。

 

 

「明日帰るの?」

(うなづく)

「え、じゃあ一緒に帰ろう?」

(いや〜みたいな表情)

「なんでよ、いいじゃん。本当は一緒に帰りたいんでしょ?」

 

 

なんかこのやり取り見てると猛烈に安心するのは私だけ?

高校生の頃みたいにふざけあう二人。いつも想がちょっと茶化して湊斗を困らせる。そんなやりとりをして笑い合う。なんて幸せな世界。

 

たまたま通りかかったお母さん。笑いながら友達と会話する想の姿を見て、一瞬驚いた表情をする。そして嬉しそう。

 

湊斗に高校生の頃、紬が書いたメモをもらって、嬉しそうに笑う想。

なんだよ、このパンダゴロゴロしてるメモと字だけで紬が書いたってわかんのかよ。大好きかよ。

 

 

 

家に帰って来た想。

大きい体を小さくしてソファに座る姿から緊張しているのが分かる。

 

想の手話を、お母さんは多分ちゃんとはわかっていない。

でもそれを想も分かった上でゆっくり、ゆっくり伝わるように話してる。

 

「お母さんも同じ」

「ん?」

「何か話すと心配するって思って、大丈夫って逃げてた」

「親だからって、なんでも話さなきゃダメってことないし。親だから、言いたくないこともあるだろうし。それで、いいんだよ。困った時、思い出したら相談、してくれればいいんだよ。でも、心配はする。心配されるの嫌、なの知ってるけど」

 

 

紬と紬のお母さんとはまた違う、親子の形。

8年間、ずっと、ずっと思い合っていたはずなのに、なのに通わなかったふたり。でもやっと通じ合った瞬間。

 

お兄ちゃんを呼ぶ萌。

 

 

 

手に取るCD。開いた歌詞カードがさっき紬も見ていたものと同じ。

 

 

「お母さんがね、萌のせいで、ちょっとイライラしてた時、捨てようとしてて。想の、目に入らないようにって。また、見たいかもって思って、萌が保護してた」

(頭わしゃわしゃ)

「う〜ざい!やめて!」

 

 

かわいすぎる。好きしかない。

 

ごめん、私萌ちゃん推しかもしれない。

 

なんかもう萌ちゃんが出てくるだけで泣けるんだけど。最近の萌ちゃんの口癖「萌のせいで」

全然そんなことない。萌ちゃんのせいじゃない。誰かお願いだからそう言ってあげて。ギュってそんなことないよって抱きしめてあげてって思ってたんだけど、想くんがわしゃわしゃしてくれて嬉しそうに嫌そうな顔するから、少しは楽になったかな?

 

 

ここのシーンがどうしても、お母さんがCD捨てるって言い出して萌ちゃんが自分の部屋に運んだ時のお父さんとのシーンと重なって。あの時はCDをみて涙を流した萌ちゃんにお父さんがなにも言わずに頭を撫でたんだよね。あの頃から少しは萌ちゃんも、想も、気持ちが楽になってたら嬉しい。

 

 

 

 

CDラックにCDを戻す萌と想。それを見て駆け寄るお姉ちゃん。嬉しそうな想。

 

「あ、割れてんのあるから手、気をつけな」

「分かってる」

 

「手、気をつけて」

「分かってるって!二人してうるさいなあ!!!!!」

 

 

ねえ、こんな幸せな「うるさい」聞いたの1話の冒頭以来じゃない?????

 

 

もう3人でずっと笑いあっててほしいし、借りパクしてる想くん可愛すぎるし、どうやってもお兄ちゃんの味方な萌ちゃん最高だし、もう絶対3人とも幸せになれよな。

 

 

 

 

駅まで送ってもらった想。

「ありがとう」

 

2話では「ごめんね」だったのが「ありがとう」に変わった。

「なにが?」とは聞かない。「うん」だけ。それだけ。

 

やっとこの8年のお母さんと想のうまくいかなかった物語がこの「ありがとう」で完結したように思えた。

 

 

 

 

帰って来た想。紬のバイト先に来た想。

大事そうに、両手でCDを渡す想。

 

 

「貸そうと思ってたやつ」

「これ?」

「どうする?私の貸してもいいよ」

「買う。自分で持ってたい。実家で久しぶりにCD触って。これまだ持ってないって」

「ネットとかで見た?」

「見てない。歌詞カードで最初に読もうって思って」

「それがいいよ。私も記憶全部無くしてまた一から読みたい。羨ましい」

「歌詞、どれがいい?」

「全部かな」

 

 

 

音楽が好きな人の会話。

「歌詞カード」で「読む」二人の会話。こういうところがお互い意識しなくてもなんか合っちゃう二人の会話。

 

 

バイト終わって出て来た紬に気づかない想。

気づいた想。すぐに動きをやめる紬。可愛い。

 

 

「読み終わった?どれがよかった?」

「全部かな?」

「ほら、だから言ったじゃん!」

 

 

「実家で、なんか、いいことあった?」

「顔がいいのは、元々だからな」

 

 

おっしゃる通りです。ありがとうございます。

 

 

 

なんかもう、これ、佐倉想にしか言えない言葉ランキング第1位すぎてなんかもうありがとうございますしかなかった。よくご存知で。ありがとうございます!!!みたいな。高校生の頃の二人が戻って来てくれたのも嬉しかったし、なんか紬が過去形にしないで、「高校生の頃から、言うよね」って現在進行形で話すのもよかった。

 

 

(歌詞カードを逆さにして揺らす想)

「(なにも挟まってなかった)」

「ん?」

 

 

いたずらっ子な顔して、湊斗にもらった紬のメモを見せるの可愛い。

 

「お願い聞いてくれたら捨てる」じゃなくて「お願い聞いてくれたらあげる」なのいいよね。捨てたくないんだ〜。やだ〜惚気ちゃって〜。

 

 

「青羽が好きなCDかして」

「CD?」

「今は多分、青羽の方が詳しいから。色々教えてほしい」

「うん。いいよ。貸したいの、いっぱいある。はい、じゃあ返して」

「やだ」

 

 

 

なんかさ〜ここ最近「subtitle」が掛かるタイミングが幸せな時間で嬉しいよねえ〜〜〜〜。(しみじみ)

もうなんなの?この高校生の時から止まってないやり取り。むしろその続きを今やってるかのようなやり取り。この二人は永遠にこういうことしてじゃれあっててほしいし、それでいい。もうずっと好きな音楽の話して、笑いあってほしい。

 

 

「晴れてるね〜」

「ちょいちょい言ってるそれなに?うざいよ」

「想がよく言ってたんだよね。月出てると、晴れてるね〜って」

「うざ」

 

ここで特大、想×湊斗ぶちかましてくるの最高だな。

(そして私も実はこれナチュラルに言っちゃう)(知らんがな)

でも、あの頃それを湊斗が言ってるのを聞いて「好きだな〜そういう感じ」って返した紬を湊斗はどう思ってたんだろうなあって思うとちょっと切ないね(もう1回このシーン見返さないと)

 

 

高校生の頃話したことを思い出しながら話してる紬の手話じゃなくて、顔見てる想くんはもう紬への好き好きが漏れ出ちゃってるのよ。

 

「今日、一箇所行ったね」

「ん?」

「東京の大きいタワレコ行きたいって言ってたよ」

 

 

8年前のそれを覚えてる想くん。何気ないところも「一箇所行ったね」って行ってくれる想くん、どんだけモテ男なんよ。

 

手話がおかしくて手を触られただけでドキドキしちゃう紬と想くん。

 

「ずっと」

 

 

紬可愛い。めちゃくちゃ可愛い。

手繋いでもおかしくない距離なのに、それすらもしないで「ずっと」って言い合いながら歩く二人世界で一番愛おしい。前回に引き続き幸せな終わり方でよかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、来週はまた「ずっと」のあまり、思い悩んじゃう想くんですね。

付き合わない二人。どうか、どうか二人が幸せでずっと仲良くいれますように。

大好きなポニテをいじる想くんも、想くんとお出かけだからヘアアレンジしてる紬もどっちも可愛い。どっちもただただ笑っててほしい。

来週も楽しみにしてまーす!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いろんな人のいろんな気持ちが交差するsilent8話。

 

通じ合った二人。

身体を離すと謝る想。

 

「声が出せないわけじゃ無い。自分に聞こえないから誰にも届かない感じする。自分で感じ取れないことがすごく怖い。一度声で話すと、その先ずっと声で話さないと悪い気がする。聞こえる人は耳で聞く方が楽だって分かるから。それが辛いから。今まで家族の前でしか、声を出さなかった。湊斗はわかってくれるって思ったから。青羽が分かってくれないってことじゃなくて。」

「うん、大丈夫。全然いいよ。」

 

安心したように笑う想。

 

中途失調者の想ならではの想い。

聞こえる人間と聞こえない人間両方の気持ちがわかるから。そして、すごく気遣いな想の思いやりでもある。同じく気遣いの紬だって、ちゃんと想の気持ちを汲んで理解しようとする。

 

「私、ほら、こんなに手話上手になったし」

「上手かな?」

「上手でいいじゃん。褒めてよ!」

 

こういうじゃれ合いの仕方をきっと高校生の時にもしていたんだろうなあ。

なんでもできちゃう想がちょっと紬をからかって笑いあってる感じが、高校生の頃を回想させて、たまらなく愛おしかった。

 

 

 

完全に余談だけど、こないだ目黒くんが出演している「月の満ち欠け」の公開前夜祭の舞台挨拶をライブビューイングで観たんですよ。その時に大泉洋さんにいじられて、笑ってる目黒くんを何度も見たんだけど、全然笑い声を発さないで笑うんですよ。笑ってる息遣いだけマイクに乗ってる、っていう感じ。コロナの関係で、会場もシーンとしてたからその雰囲気に合わせてそういう笑い方にしてるのかな?って思ってたんですけど、今、このシーンを見て思ったのは、これ、想くんの笑い方だ。普段から役作りでそうしているのか、もうその笑い方が染み付いちゃったのか分からないけど、なんだか今ふと腑に落ちちゃって。あ、もしかしたら私が知らないだけで、目黒くんが普段から元々そういう笑い方の人なのかもしれないけど。

 

 

 

 

「もう少し待ってて。聞かせたいことあるから。」

「うん、わかった。待ってる待ってる。」

 

 

 

 

奈々と春尾先生。

この二人、何かあるんだろうなあと思っていたけど(私は元恋人かな?って勝手に思ってた)、そういうことだったんですね。

 

手話教室の前で話す二人。

立ち去った奈々に思わず名前を呼んで声をかけるけど、聞こえないから振り返らない奈々。

いつかの居酒屋で湊斗に春尾先生が「聞こえないなら振り返らないですよ」って言った声が聞こえた気がした。

 

理屈だとそう思ってるのに、咄嗟に名前を呼んでしまうところが切ない。そして、もちろん聞こえてないから振り返らない奈々も。

 

 

 

想が高校生の頃に書いた作文。

今でも宝物ボックスに入れてる紬、可愛い。

捨てよって言う想に咄嗟に奪い返して大事そうに収納する紬、もっと可愛い。

 

弟が帰ってくることを伝えると、帰るねって言う想。

ちょっと残念そうな、そして光と想の関係性を気にするかのような表情の紬。

 

 

「じゃあ」

「光、大丈夫だからね。全然あの、佐倉くんのこと嫌いとかじゃ無いから。全然。」

「(うなづく)」

「じゃあ、またね」

 

 

紬が出した手に向かってハイタッチする佐倉くん、どこに行ったら会える??????ねえ!!!!!

 

このハイタッチが二人の今の精一杯の距離感。

まだ付き合ってない。両思い、、両片思いかな、でもちゃんとお互いにお互いの気持ちは伝わってる。だけど、まだ、一歩進むにはもう少しだけ、もう少しだけ待ってて。そんな想いが伝わってくるハイタッチ。離れる名残惜しさと体温を少しでも感じたいハイタッチ。ねえ、こんなのニヤけないわけなく無い???ずるく無い?????

 

 

 

 

一方、湊斗と真子、光のチーム「紬を幸せにし隊」

どこまでもこの三人の世界の中心が紬で泣けてくる。なんだよそのLINE。世界一平和なLINEグループかよ。混ぜろよ。

 

紬でしか繋がってないのに、紬抜きで飲む三人。

湊斗に会いたいだけじゃんって思った。

 

 

「湊斗くん、ウーバー!」

「湊斗くんはウーバーじゃありません。好きなの頼んでいいから、自分でやって。」

「戸川くん、酒がない」

「飲んだらないよ?」

 

死ぬほど優しい笑顔で見て、酒を取りに行く湊斗くんどこに行ったら会える????

 

 

「てかさ、これって佐倉くんは入隊できるの?」

「あ〜まあ、隊長が許可すれば」

「え、俺、隊長なんだ…」

 

 

なんか、本当に湊斗ってどこまでも優しいよねえ〜(しみじみ)

でもここですぐに「招待しよう」って言い出さない湊斗でよかった。許可も拒否もしない湊斗でよかった。

 

 

 

 

想のことを心配するお母さん。

「次いつ帰ってくる?」

「考えとく」

 

もう一度LINEがなって、ちょっとうんざりした顔でスマホを見る想。

表示されたのは紬からのメッセージ。

 

「次いつ会える?」

「いつでもいいよ。いつ休み?」

 

 

嬉しそうな表情で返す想。大好きが漏れてる。漏れ出てる。

 

ここの短いやり取りで全てがわかるのすごい。

お母さんからのメッセージには、?をつけないで一方的に終わらせるように送るのに、紬からのメッセージには、会話をしたい思いが溢れてる。

 

 

想からの返信にため息をつくお母さん。それを聞いてしまう萌ちゃん。

どこまでも気遣いで、そしてずっと自分を責め続けてる萌ちゃん。

 

「プリンってどうやってやるんだっけ?」

「プリン」

「使わないと忘れちゃうね」

 

 

これだけで、長い間想と話してないのがわかるのすごい。

そしてプリンの手話の可愛さ。それを可愛い萌ちゃんがやる可愛さの破壊力すごい。

 

 

負けじとプリンの手話をする佐倉くん(違う)

 

「これ、手話でどうやるの?」

「プリン」

「え、可愛い。もう一回やって」

「プリン」

「もう一回!」

「早く選びなよ〜!」

 

 

佐倉想に2回もプリンさせた紬さんを全人類が褒め称えたと思う。

なにこの可愛い兄妹。プリンの手話、いつ覚えたのよ。ホントに、まったく可愛いったらありゃしないんだから。

 

 

映画に行きたいと伝える紬。

バリアフリー字幕で観れる映画は、通常の映画よりも作品数が少ない。

その中で紬が本当に見たいものがあるのか不安になる想。

 

 

「あるよ、ちょっと待って。選ぶから」

「ごめんね」

「ん?何が?」

 

 

紬にも想が謝った理由はなんとなくわかっている。

でもそんなの、紬にとっては何の障害にもなってないのに。何の謝ることでもないのに。好きな人と一緒にいられれば何でもよくって、別に映画じゃなくったっていい。ただ同じ時間を過ごしたいだけなのに。通じ合ったり通じ合わなかったり、現実は難しい。

 

 

「あれ?田畑くん。」

「青羽さん」

 

 

たまたま居合わせたバイト先の後輩。

想は紬の視線の先を見るまで気づかない。手話で田畑くんとの関係性を伝える紬。物珍しそうに想を見る田畑。これが実際はすごくリアルな反応なんだろうなあと思って、なんか胸が苦しかった。別に田畑くんも差別をしてるとか、耳が聞こえないことをマイナスに思ってるわけじゃない。でも突然出会った耳の聞こえない人と、いつも会ってる人から発せられる間近で見た手話にああいう態度をとってしまうのはわからないでもない。その反応を聞こえなくても想は感じ取ってしまうし、その想の心境を紬も感じ取ってしまう。

(余談だけど、さらっと扉を先に開けて先に紬を行かせる想ってやっぱナチュラルモテ男)

 

 

「ごめんね」

「ん?どした?」

「一緒にいるの恥ずかしいよね?」

「え?思ってないよ?」

「一緒にいるの大変でしょ?」

「楽しいよ」

「迷惑かけることもあるし」

「ないよ、ないない」

「手話で話すの、疲れるでしょ?」

「ううん。疲れない」

 

「ごめん。私なんか、そういう態度とってた?ホント、全然、大変じゃないよ。迷惑なこと、なんもないよ。」

「わかった。行こう」

 

 

 

私の中の紬が、「伝わらないものですね」って5話で言ってたセリフを言ってる。お互いがお互いのことを思いやるからこそ、の不安や気遣い。そして、高校生の頃、何の障害もなく付き合っていたっていう事実がある二人だからこその、想の不安。難しいね。どんなに紬が否定したって、想はきっと気にし続けるんだろうし、これが聞こえる人は聞こえる人と、聞こえない人は聞こえない人といた方が幸せだって、春尾先生や奈々が言ってた現実なのかなって思って苦しかった。

 

 

 

 

大学生の頃の奈々と春尾先生。

奈々、本当に可愛いね。無邪気で笑顔が可愛くて、でも聞こえないぶん、すごく周りを見てる。きちんとお礼が言える優しい子。

 

初めて奈々に会った時に、もう半分一目惚れみたいになっていた春尾先生。可愛いもんね、気持ちわかる。ノートの端っこに「ありがとうございました」と書いてみせる奈々。それに返信を書くのではなくて、自分のノートをわざわざ出して、「どういたしまして。お疲れ様でした」って返信を書く春尾先生。奈々もきっと、もうこの時には好きになってた。

 

 

食堂で春尾先生を見かけた奈々。

思わず立ち上がって駆け寄ろうとするけど、会話ができないことを思い出して、ノートを手に取る奈々。(この時の立ち上がり方、めちゃくちゃ可愛いよね)でも次の瞬間には、違う誰かが春尾先生と話してる。奈々が話すためにノートを取ろうとした少しの時間に、別の子は声で会話してる。そこに何の時間もかからない。

 

 

また別の講義でもパソコンテイクで一緒になった二人。授業サボってパソコンで会話する二人。授業が終わって、いつのようにお礼を書く奈々。

 

「毎回ありがとうって書いてるの?ひとつ書いておいて、それを毎回見せたら?」

「ありがとうって使いまわしていいの?」

 

 

 

奈々の元々の優しい性格と、あとは多分、声で話さない奈々だからこそ、言葉の重みを知っているから出た言葉。

授業が終わって出て行こうとする奈々のリュックが開いていて、咄嗟に掴前て閉める春尾先生。

「ありがとう」

 

自然と出た使いまわしじゃない言葉に表情が変わる春尾。春尾が大好きな笑顔で笑って、去っていく奈々。

 

 

 

後輩が発した言葉にイラついている春尾。

思わずゼミ室を飛び出して歩いていると目の前に見かけた奈々の姿。

咄嗟に声をかける春尾。

 

 

「奈々」

 

 

振り返る奈々。

 

 

「聞こえないなら振り返らないですよ。当たり前じゃないですか」っていつかの居酒屋で湊斗に言った春尾先生のあの時の気持ちはどんなだったんだろうって今になって思った。「名前を呼んだら相手が振り返る」っていう、聴者にとったら当たり前のことが、当たり前ではないっていうことを、このドラマで散々謳われてきたのに、ここで覆してくるの泣ける。そして春尾が大好きな笑顔で、振り返る奈々ちゃん、最高かよ。「桃野さん」って手話では呼んでるくせに、「奈々」って名前呼びするの何なん???全部全部泣ける要素にしかならないんだけど。

 

 

春尾が大学で聴者に手話を教えている姿を見かけた奈々。

悲しそうな表情の奈々。覚えたばかりの「初めまして」を次々に見せられる奈々。

 

 

「どうしたの?」

「遊び道具みたいにされてて不快だっただけ。あの人たち、手話に興味があるんじゃない。良い人って思われたいだけ」

「そんなことないよ。みんな善意でやってることだよ」

「善意は押し付けられたら偽善なの。仕事にしてほしくて手話を教えたんじゃない」

「そんな怒ること?桃野さんのためになると思って…」

「良いよね。私といると無条件に良い人って思ってもらえるもんね。へらへら生きてる聴者からはさ」

「そんなつもりじゃないよ」

「どう受け取るかはこっちが決めることだから」

「めんどくさいな…」

「今めんどくさいって言ったでしょ」

「言ったよ。めんどくさいよ。何に怒ってるかわからないし、こういう道に進むの喜んでもらえるって思ったのに」

「手話できるんだからしてよ。唇読むの疲れる!」

「俺だって疲れるよ。耳聞こえんのに、わざわざ手話で話すの。すごく疲れる。」

 

「授業、サボるんじゃなかったな」

 

 

 

最後のこの一言で、春尾と出会って仲良くなったことから否定してくるの、つらい。多分、これは生まれつき耳が聞こえない奈々だから、思ってしまうどうしようもないこと。聞こえる、聞こえないの壁が生まれつきどうしてもあるから、思ってしまう。だけど、一歩間違えれば紬と想の間に起こってもおかしくなかったこと。

お互いがお互いを想いあってるだけなのに。そしてこの時の答えが今も分からないままなのもしんどいね。

 

 

 

 

春尾先生の手話教室にやってきた奈々。

 

「手話仕事にしたんだね。」

「通訳もやってたよ」

「すごい。夢叶えたんだね。おめでとう」

 

 

「仕事にしてほしくて手話を教えたんじゃない」って言った奈々がこの数年、想くんや他の人との出会いの中で、「夢叶えたんだね。おめでとう」って言えるまでになったのすごい。

 

「あの二人ってもう付き合い始めた?」

「そこまで知らないよ」

「そっか」

「二人、うまくいくと思う?」

「うまくいくと良いなって思ってる。聞こえるとか聞こえないとか関係ないって思いたいから」

「そうだね」

 

 

「そうだね」の手話が、最初に奈々が想くんに教えた「同じ」と同じ手話なんだよね。共感を示す手話。

「聞こえる」「聞こえない」にもしかしたらこのドラマの中で一番こだわっていたかもしれない奈々がこういう風に言うところに成長を感じたし、「そうだね」って返す春尾先生に泣けた。

 

 

 

「佐倉くんとのこと、反対されたらどうする?そういう人と付き合うのちょっと…ってなったらどうする?」

 

光はいつでも直球。でもこのドラマにそういう人がいないから直球を投げる光の存在はこれはこれでみんな助かってる。そしてただドストレートを投げるのではなくて、きちんと相手の様子を伺いながら光なりに気を遣いながら話してる。

 

「付き合ってないから」

 

どこか拗ねたように、ちょっと怒ったように言う紬。

そうだね、反対される可能性だって無くはない。

 

 

 

久しぶりに実家に帰った紬と光。

 

 

「ある日突然、もう良いよって言い出して。会いに来なくて良いよって。大変だからって。和泉ちゃんに迷惑かけたくないからって。ぶっちゃけお父さんのためにいってたんじゃないわけよ。」

「わかる、自分が居たところで何にもならないし」

「そうそう、なんかあっても、ボタン押したら看護師さんくるし」

「なんかあってもこっちは何もできないし。いるだけだし。」

「居たくているだけなのにね」

「居たくているだけなのに。ほんっとわかってくれない。」

「伝わんないよね。そういうの」

「伝わんない」

「ただ横にいたいってだけの自己満足なわけよ。大変だからって、迷惑かけるからって。それじゃあ納得いかないよねえ。」

 

 

 

そうだよねえええええええええええええええ

 

 

 

何なの?これって女性心理なの???別に対してそんな経験ないけど、だけど「そうだよねえええええ!!!」ってなんかもうむっちゃ共感してしまった。伝わんない。けど、紬は必ず伝えるこ。そういうまっすぐなこ。

 

 

お母さんに湊斗と別れたことを伝えようとする紬。

 

「なんか悪いことした?ごめんなさいいう前の顔してる」

 

何でもお見通し。さすがお母さんだよね。

 

「別れちゃった。湊斗。別れちゃった」

「そう」

「うん。それだけ」

「うん」

 

 

結婚を期待してたお母さんだから、心の中ではきっと少なからずショックだっただろうに、それを見せないで、何でもないように「そう」って返すお母さんは、世界一できるお母さん。

 

想のことを話そうとして、言葉に詰まる紬のことを一瞬確認して、

「ねえ、プリン食べる?」って笑顔で言えるお母さんは世界一良いお母さん。

 

 

「耳がね、聞こえない。今、その、付き合ってるとかじゃないんだけど、」

「そう、で?」

「で?」

「うん、お母さんにどうしろと?」

「どうしろってわけじゃないけど」

 

「お母さんがダメって言ったらダメなの?やめなさいって言ったらやめるの?」

「じゃあねえ、お母さん別に関係ないもん」

 

 

「耳が聞こえない」って言った瞬間、すごく驚いたような顔して紬の顔をまっすぐ見たのに、次の瞬間には「そう、で?」ってさっきの別れ話を聞いた時と同じ返答をするお母さん。この親にして、この子あり。まさしくだね。

 

 

萌ちゃんと想くん。

 

「お母さん、最近手話使わないから、忘れちゃうって心配してたよ。そろそろ顔見たいって。」

 

想くんの顔が曇っていくのを見て、同じように顔が曇っていく萌ちゃん。

 

「最近、お兄ちゃんの周り色々変わって…、萌のせいだけど、わかってるけど、で、お母さん、それ心配してて。」

「心配されるのが嫌だから、帰らないんだよ」

 

 

やっぱり萌ちゃんは自分が湊斗くんに耳が聞こえないことを言ってしまったことをすごく責めてる。「萌のせいだけど…」って言う声がかすかに震えてて、そんなことないよって、想くんにとって、良い変化ももたらしてるよって言ってあげたくなった。でも想くんはそうじゃ無くて、そこは否定してあげなくて、「心配されるのが嫌」と頑なに帰ろうとしない。

 

 

 

「実家から帰るときに荷物増える現象、そろそろ名前欲しいわ」

「親の真心。言葉じゃ伝えきれないからさ、物に託すの。」

「持って帰らなきゃじゃん」

「郵送する?」

「いい、持てるから」

 

「行ってらっしゃい」

「行ってきます」

 

 

「持てないから要いよ」って行った物たちを、「持って帰らなきゃ」「いい、持てるから」に変える言葉「親の真心」。天才かよって思った。実家を出るときはいつも「行ってらっしゃい」「行ってきます」このやりとりだけで、すごく良い家族なんだなあって言うのがわかる。

 

 

「おすそ分けしたら?俺これからバイトだから。なんか、好きなようにして良いよ。好きな人呼んで。」

 

 

さすが「紬を幸せにし隊」のグループライン作った張本人だよね。

紬の家族は本当に良い人ばかり。

 

 

栗ご飯頬張る想くんが可愛すぎてここだけで何度も観れるね。

想くんに持って帰ってほしくて、お母さんみたいにせわしなく動く紬も「真心」だね。

 

「私ね、居たくて、居るだけだからね。佐倉くんに、なんもしてあげられないし、なんかしてあげようと思って一緒にいるんじゃないから。だから、佐倉くんが私と一緒にいるのが大変とか迷惑とか疲れるとか、そういうのあったら言って?私は、ないから。もし今後、合ったら言うから。ちゃんと、言うから。」

「わかった」

「それだけそれが言いたかっただけ。あと、お母さんのご飯、食べて欲しかっただけ」

 

 

伝わった。ちゃんと伝わったね。

まだ最初の頃の方、想が紬のことを「まっすぐ」って言うのにちょっと私はピンときてない部分があったんだけど、回を増すごとにこの紬のまっすぐさに触れて行って、何より想がどんどん変わっていくのがわかって嬉しい。紬のまっすぐな言葉がちゃんとまっすぐ想に伝わって嬉しい。聞こえる聞こえない関係ない。それがわかって嬉しい。

 

 

「青羽はこれ作れないの?」

「ごめん、手話わかんなかった。もう一回いって?」

 

さっきよりゆっくり丁寧に動きを変えて伝える想くんかわいい。

わかってるのに、わかってないふりをした紬に

「通じてるでしょ〜!!!」って笑いながら言う想くん。1話の冒頭で泣きながら「俺たちもう話せないんだよ」と伝えた想が、「通じてるでしょ」に変わるの泣けるね。

 

 

朝のシーン(ごめん、私この絵を見ておまっ、あんだけ付き合ってないって言っときながら泊まったんか!!!って思ってしまった。ほんとごめん。実家に帰ってるだけだった。)

 

 

あんなに頑なに帰りたくない意思を示して居たのに、紬との「いつあっても親は親って感じ。」って言う会話の中で、帰ってみようかなって思えた想も偉いね。緊張した面持ちの想。

 

 

「おかえり」

「ただいま」

 

 

いつも通りの親からの「おかえり」に家族の前でしか出さない声で「ただいま」と言う想。

嬉しそうなお母さん。安心した表情の想。うん、これでこそ家族だね。

 

 

 

 

 

来週はもうしんどい。

もう見なくてもしんどい。紬が笑顔で「ずっと」って手話をしていたのがどうにか希望でありますように。それを願って来週まで楽しみにしてます〜〜!!!!

 

 

 

 

じんわりと胸にくる「silent」7話

 

泣いている奈々。追いかけてきた紬。紬に気づく想、そして奈々。

思わず立ち去ってしまう紬と、反対方向に歩く奈々。

 

想が追いかけたのは紬だった。

切ない。奈々の気持ちになると、どれだけ苦しかっただろう。

 

 

でもここで、ちゃんと「追いかける相手」を間違えないのが想くんなんだよなあ。

間違えないって言うのは、ちゃんと「好きな人」の方を追いかけること。泣いている奈々ではなくて、「好きな人」である紬を追いかけるとこ、そういうとこ、想くんってモテる人なんだろうなあって言うのが分かる。

 

 

 

 

「奈々と話したの?」

「うん、話した。ちょっと」

「何話したの?」

「……大丈夫。大丈夫。水かけられたりしてないし」

「奈々、泣いてて…」

「泣いてた。うん。私のせいかもしれなくて…わかんなくて…あ、えっとなんて言えばいいんだろう」

「青羽は大丈夫?」

「うん?」

「昨日、ちょっと喧嘩になって、聴者とろう者と中途失聴者、みんな違うから分かり合えないって言われた」

「…」

「青羽には関係ないから気にしないで」

「関係ない?」

「巻き込んでごめんね」

 

 

「みんな違うから分かり合えない」って言葉は、想と奈々のことを指しているようで、想と紬にも当てはまるんだよね。だからこそ、何て返したらいいかわからない沈黙を紬は作るけど、想は心配かけたくない想いで、「関係ないから」と言う。好きな人の大事な人とのことを「関係ない」って言われた紬はもっと気持ちが複雑になっちゃう。難しいね。聞こえる、聞こえないに関わらず、難しい。

 

 

本棚から本を取り出す奈々。

想の家に返しに行った時、偶然にも鉢合わせてしまう。

 

いつも明るくて、想よりもお喋りで、ちょっとあざとい女の子だった奈々が不安そうに本を返す姿を見て、ちょっと小さく見えた。

家の中に入れるか、でも…って迷う姿がなんとも真面目な想くんらしくって、それに気づいて「ここで待ってる」って言う奈々に、外廊下で本を広げる二人が可愛らしかった。

 

 

「想くんが勧めてくれる本、正直あんまり面白くなかった」

「面白いって言ってたじゃん」

 

「想くんが好きって言うから好きなふりしてた」

 

 

 

ここ、予告では「好きなふりしてた」ってところだけ流れていて、これが「想くん」に対しての言葉だったらあまりにも切ないなって思ってたから、だから「本」に対してでよかった。想くんを好きな気持ち、奈々が嘘にしないでよかった。

 

 

もうほとんど告白みたいなことを言ってしまって咄嗟に持っていた本で顔を隠す奈々かわいい。一歩、距離を縮めて本を奪うけど、また奈々に奪われて、そしてまた想が奪い返して笑い合う。普通だったら、両思いの人がするやりとりに見えるのに、甘酸っぱいねってなるのに、この二人はどこか切ない。

 

 

「振らなくていいよ。振った側って悪者みたいになるでしょ。勝手に好きになられただけなのに。想くんは今までもこれからもずっと友達。悪者になろうとしなくていい。大丈夫」

 

 

この短期間で、こんなこと言えるまでに気持ちにけりをつけた奈々って本当に偉いよね。本当はまだいろんな思いがあるんだろうけど、でも、ちゃんと諦めようとしてるの偉い。今、間違いなく一番辛いのは奈々なのに、想くんのことを思ってこんな言葉をかけられる奈々は、めちゃくちゃいい女だし、絶対絶対幸せになってくれよなって心の底から思った。そして、絶対に想くんも幸せにならないといけない。

 

 

 

 

 

 

萌ちゃんとお母さん。

 

「想、高校の時の友達にあってるの?」

「うん。普通に仲良くしてるみたい。え、何が不満なの?よかったじゃん。お兄ちゃん楽しそうだよ?みんなとフットサルして。高校生の時みたいに」

「高校生の頃みたいにいかないでしょ、その頃とは違うんだから」

 

 

「ここ何年もあんな風に人と会わないでいい仕事して、奈々ちゃんしか友達もいなくて。声だって滅多に出さなくなっちゃって。聞こえる人と関わると傷つくから。だからそうしてきたの。やっと、静かに…落ち着いた生活ができるようになったのに。あんな刺激のある人と関わらせたくないの」

「それは…それは、お母さんの自己満足だよ」

 

 

 

萌ちゃんとお母さんのシーンはいつも心にグサってくる。

どっちも想のことを想っていて、それは同じなのに、絶対に交わらないから苦しい。

今回の第7話の裏テーマは「自己満足」だと思っていて。このシーンも、紬が奈々に会いに行くシーンも、奈々が想に手話を教えたことを「自己満足」だと言うシーンも、全部全部、誰かの自己満足。でも、このドラマに出てくる人の自己満足は、いつも誰かを思っての自己満足だから、だから見ていて苦しくなる。

 

 

 

「あのさ、いつからって言ったけ?耳悪くなったの」

「18歳」

「それって、そう言う場合ってさ、喋れないもんなの?」

 

 

聴者にはわからない世界。決して傷つけるために言ったわけじゃない、単純な疑問を投げかけただけでも、想には深く刺さってしまう。

 

 

ちょっと疲れた顔で待ち合わせのファミレスにくる想。

仕事の愚痴を手話で話すけど、難しくて紬にはわからない。

奈々のことを聞くけど、やっぱり「気にしないで」と言われてそれ以上は聞けない紬。二人の中で流れる噛み合わない空気。

 

 

「ずっと、気になってたんだけど。」

「何?」

「声で、喋らないの、なんで?」

「……」

 

 

さっき会社でも言われてちょっと疲れていたのもあいまって、しかもそれを他でも無い紬に言われるのもあって、複雑な表情を浮かべる想。

 

 

 

「元々、聞こえてた人だと声で話す人が多いって聞いたから。佐倉くん、なんでかなって。」

「……」

「あっ、声、出してってことじゃなくて、私が、手話わかんない時、わざわざ繰り返したり、文字打ったり、めんどくさいかなって思って」

「この時間がもどかしいから声で話せよってこと?」

「違うよ、そんなこと思ってない。理由があるのかなって思っただけ」

「(声が好きなんだもんね)」

 

 

ここ、切なすぎて胸が苦しかった。

ああ、そっか。想は、紬が自分を好きな理由は「声が好きだから」だと思ってるんだ。もうあの頃みたいに話せない想のこと、紬は、好きじゃないって思ってるんだ。湊斗と話したフットサルのロッカーの前で、「耳、聞こえないんだよ?」って言った時、単純に、「聴者と付き合った方が紬は幸せだ」ってことが言いたいのかと思っていたけど、それももちろん意味合いとしてはあっただろうけど、でも、「あの頃みたいに話すことができない自分を紬が好きなわけがない」って思いもあったんだ。あの頃、高校生の頃、スポーツも勉強も、なんだって出来て学年1モテてて、そんな想くんからは想像もできない卑屈な言葉に、胸が苦しかった。この8年間が、そうさせたんだなって思って苦しかった。紬の気持ちが、伝わらないのが苦しかった。

 

 

落ちて割れたコップ。すごい音。だけどそれにも想は気づかない。「聞こえないんだから気づかないですよ」っていつかの風間ぽんが湊斗に言ったセリフが聞こえた気がした。そんな普通の出来事も、聞こえる人と聞こえない人で線が引かれたような気がして、分かり合えない描写が辛かった。二人の表情がどんどん暗くなって行くのがもっと辛かった。

 

 

紬とマコ。そして湊斗からの電話。

 

「結婚するんだ!?」

「えっ?」

「違う違う。戸川くんじゃなくて」

 

 

ここのシーン、正直私はまだ紬は湊斗に未練があるんだなあって思ったんだけど、どう?さっきの想と紬の分かり合えないシーンの後だったから、余計にそう思ってしまった。いざ、想くんに直面してみて、やっぱりあの頃のようには何でもかんでも行かなくて、そんな時にかかってきた湊斗からの電話に少しなんだろう、落ち着きを覚えるって言うか、あ〜湊斗だなあ〜って思う感じというか。(ごめん、視聴者の私が思った、って言うのもある)

 

 

でも、想くんの話を湊斗に普通にする紬にちょっとね、違和感。

違和感っていうか、ちょっと嫌な言い方になるかもしれないけれど、紬は紬でやっぱりずっと「選ばれてきた人」なんだなあって思った。

想に、「選ばれてきた人」

湊斗に、「選ばれてきた人」

 

だからこそナチュラルに、湊斗に想の相談ができるんだろうなあって思った。そしてそれは、奈々に会いに行くのもそう。「選ばれてきた人」だからこそ、できること。

 

 

 

 

奈々に会いに行く紬。

紬はまっすぐ。本当にまっすぐ。

 

「佐倉くんから、奈々さんのこと聞きました。話を聞いてくれる人って言ってました。誰かに話を聞いて欲しかった時に出会って、不安とか悩みとか、全部聞いてくれたって。出会わなかったら、生きてこれなかったって言ってました。音がなくなって行くのは悲しかったけど、音がなくなってからも悲しいだけじゃなかったのは、奈々さんがいてくれたからって。」

「……」

「あ、あの、佐倉くんに、そう伝えてって言われたんじゃないです。奈々さんがどういう人か聞いたらそう言ってたんです。今の佐倉くんがいるのは奈々さんのおかげなんだなって。私に感謝されても、全然嬉しくないと思うんですけど。でも、伝えたくて。私は、この8年、ただ元気にしてるかどうか、それだけずっと心配でした。また会いたいとかより、とにかく毎日誰かと笑って過ごして欲しいって、それだけ願ってました。だから、佐倉くんのそばに奈々さんがいてくれて本当に良かったです。佐倉くんが一番そう思ってます。ありがとうございました。」

 

 

どんな人?って聞かれて出てくる言葉はその人の好きなところっていう第6話での湊斗の言葉を思い出した。想が、奈々を好きな部分が見えて嬉しかった。

 

 

紬のまっすぐさは、時に誰かを救い、そして時に誰かを傷つけそうなくらい、まっすぐ。

私がもし、奈々の立場だったら。この言葉を言葉通りまっすぐに受け止めきれないかもしれない。でも、手話教室の先生に訳してもらって、事前に全部全部確認してから、手話を覚えてくる紬は本当にただただまっすぐだから。だから、こっちもまっすぐに聞きたくなる気持ちになる。

 

 

「上達したいならとにかく手話で話すようにしたほうがいい。想くんとたくさん話したほうがいいよ。」

 

 

「あげたプレゼントを包み直して誰かに渡された気分」って言った奈々が、こんな言葉をかけられるなんて、すごく大人だなあって思った。決して間違ってない、そう思ったって仕方ないのに、紬のまっすぐさに直面して、こんな言葉をかけてあげられる奈々は本当にいい子だし、やっぱり絶対幸せになれよな!!!!!

 

 

 

 

 

図書館に本を返しにきた奈々。

小さな男の子に連れられて歩く想。高い場所にある本を取って欲しいけど、聞こえない想にはそれがどれだかわからない。

 

迷った挙句、何かを考えついた顔をして、男の子を持ちあげた想。

見つかった本。笑い合う二人。声がなくても通じ合った。

 

 

好きな人のそういうところはね、ずっと見ていたくなっちゃうよね。

そういう何でもないところがね、ああ、好きだなあって思っちゃうんだよね。

恋したことある人ならきっと分かるであろうこういう描写を入れてくる感じ、やっぱりうまいなあ。きっと奈々も、ああ、やっぱり私、想くんのこと好きだなあって思ったと思う。そして、「聞こえる人」と「聞こえない人」であっても、ちゃんと通じ合うことはできるってこと、示してくれたね。

 

 

 

想に見つかっちゃってちょっと気まずそうに笑う奈々。曖昧に微笑む想。

 

 

 

 

「青羽と話せた?何話したの?」

「想くんに近づかないでくださいっていう修羅場になるのを覚悟してたけど、全然和やかだった」

 

 

「この8年、どれだけ想くんのことを心配してたかって熱弁された。下手くそな手話で一生懸命話してくれたよ。言いたいことまとめて、手話教室の先生に訳してもらったんだって。真面目だよね。手話覚え始めた頃の想くん思い出して、ちょっと可愛く思えた。気持ちを伝えようって必死になってくれる姿って、すごく愛おしい。まっすぐにその人の言葉が自分にだけ飛んでくる。想くんもあの子と話してると、そんな気持ちなんだろうなって思った。この前、プレゼント使い回された気分って言っちゃった。私が想くんに教えた手話が、あの子に伝わって行くの。でも今はおすそ分けしたって気持ち。あげて良かったって思った。」

「奈々に手話教えてもらって本当に良かったって思ってる」

「想くんのために教えたんじゃない。私と話して欲しかっただけ。私の自己満足だよ。こうやって手話で話せて満足。お互い耳が聞こえて話すのも、ちょっと憧れだったけどね」

「たまに夢に見ることがあって。奈々も俺も耳が聞こえて、電話したりお互い両手に荷物抱えて声で話したり、多分、奈々の顔や性格でこんな声かなってイメージできるんだと思う。夢で話すときは、その奈々の声が聞こえる。起きるともう、どんな声かよく覚えてないんだけど」

「良かった。私も似たような夢見るけど、音がないから。想くんの夢の方でちゃんと声出てるなら良かった。私にも想くんの声、聞こえてるなら良かった」

「奈々、声でもすごいしゃべってるよ」

 

「シー!!!!!!!」

 

「怒られてる」

 

 

ここのシーンが第7話で一番好きなシーンでした。

 

やっぱり奈々は大人。こんなこと、私なら言えない。

 

第6話で、奈々の夢は、想くんと「手を繋いで」、声で話しながら歩くことだった。

でも想くんの夢の中では二人は「荷物を抱えてて」、両手が塞がってて、それでも声で話して歩いていた。この違いがね、二人のお互いに対する感情の違いが表れていてちょっと切なかった。

そして、同じく第6話では二人の共通言語は手話だから、静かな図書館で話していても怒られなかったのに、第7話では思わず漏れ出た二人の笑い声に反応して、怒られてるのかわいい。聴者とろう者の差がなくなっていく。

 

 

 

3年前に発売された、想が大好きでよく聞いていたスピッツのアルバム。

思わず、想はこれを聴けたのか気になる紬。

 

 

待ち合わせする二人。何回見ても思うけど、「ん?」って顔の想くんは世界一愛くるしいし、「お待たせ」って手話する紬は世界一可愛い。

 

 

 

「本、好きだよね。高校生の時から得意だったし。国語」

「うん」

「だってあれ、作文」

「作文?」

「高2の時、佐倉くん書いたやつ」

「あれ青羽にあげたよね?」

「まだあるよ。うちにある。読み、来る?」

「……」

「違う違う。家に来る?って意味じゃなくて、いやそういう意味なんだけど、そうじゃなくて…」

「行こうかな」

 

 

動き出した二人の時間。

なんとも言えない緊張感が伝わってこっちまで恥ずかしくなる。

 

 

紬の家にきた想。

なんでこんなに無音なんだろうって思ったら、そっか。

もうこの二人は一緒に音楽を聴くこともテレビを見ることも、映画を見ることもないんだ。そういう世界にならないんだ。そう思ったらちょっと切なかった。

 

 

なんとなくお互いの緊張感が伝わってくる。

 

「最近覚えた手話教えて?」

「最近?ん〜、あっ!片思い」

「覚えなくていいよ」

「だよね」

 

 

きっと両思いであることはお互いにもう分かっていて、でもあと一歩、何かのきっかけがないと踏み出せない。そのなんとももどかしい感じがこの会話でわかるのがいい。

 

 

「あ、作文作文」

 

立ち上がった紬の手を咄嗟に掴んで座らせる想。そのまま両手を握って見つめる。

伝えたいことをまっすぐに伝えたいって思いと、お互いに両手を塞ぐことで、手話に頼らないっていう意思表示が見える。紬だけじゃなくて、想も両手塞がってるのと一緒だから。

 

咳払いして、声を発しようとする想。

 

「いい。いいよ。大丈夫。喋んなくていいよ。ごめん。この前、無神経なこと言ったから。違うから。声好きだったけど、それは本当だけど。でも、声以外も好きだから。だから大丈夫。無理に喋んなくていいよ。喋んなくても、好きだから。大丈夫。」

「……」

「好きとか言っちゃったけど、手話してないし、セーフ。それ以外訳すね。ちょっと、手を離して頂いて…」

 

 

抱きしめる想。

想の背中をトントンって叩く紬。

強く抱きしめ返す想。

「うん…伝わったね」

 

 

 

ファミレスで、いやもっと前かな、奈々と対峙した後に紬を追いかけて二人で座ったベンチのシーンから、お互い手話を使ってもどこか通わなかった心が、手話がなくても通じ合った。きっと、「好き」って言葉までは分かってなかったかもしれない。でも、あの頃好きだと言ってくれた声を、いい、喋んなくていい、と制御したことは今の想にとって、すごく大きな「好き」になったんじゃないかな。8年前、あの公園で、言えなかった想いがようやく通じ合った、そんな気がした。思わず溢れ出した思いを、手話でもなく、声でもなく、抱きしめることで表現した想くんに私は泣きました。好きです。そんなん好きしかない(私が告白してどうする)

 

 

第6話で風間ぽんに想のことを「どんな人?」って聞かれて、「好きな言葉をくれる人」と答えた紬。湊斗曰く、それは相手の好きなところ。だけど、言葉をくれなくても、何も話さなくても、好きだから、大丈夫、と伝えた紬。うん、片想い、って手話はいらないね。

 

 

 

 

さて、誰しもが思ったであろう、え、来週無いの!!!!????来週生きてる???ねえ、私生きてる?????現象。大丈夫そ?みんな生きてる?でもまあなんとかいい子にして待ってようと思うので、第8話も楽しみにしてます。撮影も佳境かな〜〜〜〜みんなめちゃくちゃ忙しそうだけど頑張って〜〜〜!!!!!!

 

 

 

 

 

第6話の「silent」はずっと苦しい

 

大学生の想。

同級生に名前を呼ばれても気づかない。

耳元で急に名前を呼ばれて振り返る想。必死に口元をみて言葉を読み取ろうとするけど、分からない。

 

補聴器とイヤホンを見間違えられて怒られる想。

「すいません」が口癖になる。何も、何も自分はしてないのに。どんどん悪くなっていくのは自分の耳であって、自分は何も悪く無いのに。

 

高校生の時のキラキラしたみんなの憧れの佐倉くんはもう居ない。

友達も全部切って、耳が聞こえなくなる恐怖に毎日毎日押しつぶされそうになりながら必死に生きている。

 

 

 

偶然、エレベーターで一緒になった想と奈々。

一緒になったのは偶然だけど、思わず奈々を目でおってしまったのは、楽しそうに友達と会話する姿を見て、気になったんじゃないかな。

 

 

 

「なんでもないです」

「話したいって顔してた。喋って」

「大学生ですか?」

「うん」

「授業って、どうしてますか?」

「パソコンテイク」

「そうですよね…」

「何も補助なしで、受けてます」

「聞こえるの?」

「聞こえないことも多いけど、聞こえないふりしてごまかして来ました。でも、もう…ごまかせなくなって来てて」

「友達にノートテイクお願いすれば?」

「友達、居ないから。耳の病気がわかって、それまでの友達は一方的に縁を切って…。すいません。暗い話して。すいません。すいません。」

「聞くよ」

「補聴器を使い始めたら、授業中にイヤホンつけるなって、注意されました。同級生に突然、耳元で、大声で、話しかけられました。別に悪いことしてないのに、何度も、すいません、すいませんって謝るの癖になって、本当に、自分が悪いような、そういう気持ちになります。大学、スポーツ推薦だったから…親には大丈夫って言い聞かせて、意地で上京して来たんです。でも結局、部活、続けられなくなりました。声が聞こえないことが増えて、あいつは指示を聞かないって、あいつはチームプレイができないって。そういうのは、聞こえちゃって…。そういうの相談できるところに相談してみても、ちょっと悲しい顔して、何度も相槌打って、なんかの制度とか、保証?とかを紹介してくれるだけでした。違うのに。ただ、誰かに聞いて欲しかった。静かに、話だけ、聞いて欲しかったんです。ただ不安だってことを、言葉にできないのが、苦しかっただけで…。」

「声出さないから大丈夫。静かに話聞いてあげれる。私は生まれつき耳が聞こえない。でも、音がなくなることは悲しいことかもしれないけど、音のない世界は悲しい世界じゃない。私は生まれてから、ずっと悲しいわけじゃない。悲しいこともあったけど嬉しいこともいっぱいある。それは、聴者もろう者も同じ。あなたも同じ。」

「おなじ」

 

 

 

言葉が綺麗で、どれも取り逃したくなくて、全部文字起こししちゃうくらい、よかった。耳がだんだんと聞こえなくなっていっているのと、あの頃のなんでもできた自分じゃないのとで、声が小さく自信なさそうに話す想くんの話をうんうんって見つめながら聞くのは奈々にしかできない。

てっきり、奈々が想くんのことを大好きで大好きで仕方ないって思っていたけど、想くんの方から奈々に興味を持って、そして救われていた。

 

 

 

同じだと言ってくれて、あんなに安心したのに。都合よく、自分は違うと線を引いた。聞こえる自分が忘れられなかった。聞こえる人とも、聞こえない人とも、距離をとった。近づくのが怖かった。でも、近づいてしまった今は、もう離れたくないと思ってしまう。

 

 

苦しい。突き放された奈々も、突き放した想も、どちらの気持ちもわかる気がして苦しい。

そして、”聞こえる”紬が手話を勉強して、それで会話してくれるのが嬉しいと感じる想の気持ちも、このシーンを見るとわかる気がする。手話で話すのは、”聞こえない”同士がするツールではない。そう思える気がする。

 

そして、紬と一緒に楽しそうに手話で会話するシーンを次に入れてくるのがこの脚本ずるいとこだよ。

 

 

返事がこないことに対して、ちょっと拗ねたような気持ちで、いつものテレビ通話ではなくて、思わず音声通話を押す奈々。

焦ったように、紬に出て欲しいと伝える想。

 

奈々に何かあったのかもしれないと、紬に電話を出させる想くんは、本当に奈々を大事な友達と思って心配しているし、同時に、それを何の躊躇いもなく、”紬”に出させることで、奈々への気持ちがわかって辛い。ちょっとくらい奈々への気持ちに迷いがあったら、紬に電話渡したりしない。

 

 

 

電話の相手がどういう人なのか気になる紬。

聞こうとするけど、返信に夢中で、想は気づかない。

これが聞こえる同士だったら、「ねえ」で終わるのに、目線がこっちにないと、二人の会話は始まることさえできない。

 

でも、ここで紬が聞かなくても、表情を見て、どういう人なのか話してくれるのが想くんだよね。ちゃんと気づいて、何でもないよって、無意識に伝えてくれる。

仕事の知り合い?って聞いた紬に対して、「友達」って、すごく大事そうに肩をすくめて、両手をギュって握りしめる想くん。奈々のこともちゃんと大事って思ってる。「本当に友達?」って聞いちゃう紬の気持ちもわかる。全部、全部、わかるよ。

 

 

「青羽、元気?」

「俺?見ての通り、元気」

「紬、元気?」

 

 

また”紬”って呼ばせたくて、意地悪しちゃう光可愛い。できる弟大賞ナンバーワンだよ。

そしてもう、何でもないのに、普通に湊斗の家に来て、アイス食べてる光は本当に湊斗のこと好きだよね。わかるよ、私も大好きだよ。

 

 

 

偶然、道端で想を見かける奈々。

リュックを開けて、スマホを取り出す奈々。

(みんな思ったと思うけど、ここ、リュックをわざと開けたのかと思った。ごめん。)

(こういうミスリードもこのドラマうますぎんのよ)

 

「明日ひま?ご飯行かない?」

 

想にLINEを送る奈々。

それを見て、すぐに返信しようとする想。

訪れる紬。手話で会話する二人。

そのまま、スマホはポッケに直されて、返信はこない。

 

 

一番見たくない光景を見た、それも偶然見てしまった奈々の気持ちを考えると、苦しいしかない。え、主人公って奈々だっけ?奈々の物語ってことでいいんだっけ?って錯覚してしまうくらいに、奈々目線で描かれていて辛い。そんなん、奈々に感情輸入してしまうやん。

 

 

 

 

想と湊斗。二人での夕飯。

また二人がこうやって何の気も使わずに気兼ねなく話せてよかった。

湊斗の優しさのおかげ。それは間違いなく、絶対に。

 

 

「今日、想のおごりね。俺に感謝してるでしょ。焼肉なんて安いもんでしょ」

「うん」

「何食べよっかなあ〜。」

「元気そうだね」

「元気だよ。振った側なんでね」

 

このセリフ言って、微笑む湊斗の人生って何回めなん?????

あんなに大好きだった、あんなに長年片思いして、同棲までしようかとしていたはずの彼女を振って、その彼女とこれから一緒にいることになるであろう人に対して、こんなこと言える?こんなこと言って、何の意地悪もない笑顔で笑える???もう私が焼肉いくらでもおごるから好きなだけ食べなよ。もう、そうしなよ。それが一番うまくいくよ。

 

「この前一緒にいた人、本当に友達?」

「うん」

「へえ〜、美人だったし、二人でいたし、本当に友達なのかなあ〜って」

「二人で会う唯一の友達だから」

「え〜俺は??ねえ俺は?今二人であってるんですけどお〜」

 

ここで困ったように笑う想くんも可愛いし、ちょっと拗ねる湊斗も100点満点くらいに可愛い。大好き。抱きしめたい(やめろ)

 

 

そして、紬のことは「友達」ではないってことも含めてるって解釈でいいよね??

 

 

「その人にさ、青羽のこと聞かれた?どんな人って。なんて答えたの?」

「まっすぐ」

「まっすぐ?」

「まっすぐ見てくる感じ。性格も。」

「うんうん、わかるわかる。その人は?どんな人なの?」

「生まれつき耳が聞こえない。大学のとき知り合って、手話を教えてもらった」

「へえ〜どんな人って聞かれたとき、好きな人のことだと、その人の好きなところ言っちゃうんだって。嫌いな人のことだと、嫌いなところ。どちらでもない、知り合いとかだと、普通に、関係性とか、プロフィールとか説明しちゃうんだって。今みたいに。ま、全部に当てはまるとは思わないけどね」

「湊斗、ちょっと性格悪くなったね」

「モテたいからね」

 

「湊斗、ちょっと性格悪くなったね」って言う時だけ、スマホを机の上に置いて、ドンって指さすのちょっと怒ってて可愛い。「モテたいからね」って返す湊斗って頭の回転も早いんか?君、天才か?モテないはずないだろ。

 

意味がわからなくて、きょとんってする想も可愛い。全部全部可愛い。

 

 

 

 

風間ぽんと、紬のシーン。

 

「どんな人ですか?」

「どんな人?…そうですねえ、、、、好きな言葉をくれますね」

 

 

想い合ってる二人の裏で、泣く人がいることを考えると今日だけは、この話の回だけは、純粋な気持ちで、わ〜いまた二人両思いだね⭐︎なんて思えないから辛い。

でもなぜかこの二人はこうやって自然と想い会うことができる。どんなに遠くにいたって、離れていたって、その間、一切時間を共有してこなくたって、声が聞こえなくても、想い合えるのが残酷。

 

 

あんまり家族と上手くいってないのって聞く湊斗に曖昧に笑ってやり過ごす想。

今でも毎日、想の部屋のカーテンを開けて、いつでも帰ってこれるようにしてるお母さん。

空になったCD入れを見て、辛いのは想だけじゃない。

 

「ねえおとうさん。想の部屋からダンボール運んでおいてくれない?」

ダンボールって?」

「うん、CD。明日、不燃ゴミだから

「うん?捨てといてって言われたの?」

「言われてないけど」

「想に確認してからの方がいいんじゃない?」

「CDどうするのってわざわざ聞くの?次帰ってきた時、目につく方が嫌だろうし」

「じゃあ萌がもらう!萌の部屋運ぶね」

「萌、お兄ちゃん聞くやつ興味ないでしょ」

「聞くために取って置いたわけじゃないでしょ、お兄ちゃんだって」

 

 

私、今回の6話で一番好きなシーンだった。

「聞くために取って置いたわけじゃないでしょ、お兄ちゃんだって」

ってセリフが何よりも的を得ていて、それを萌ちゃんが言うところにズドーンって何かを射抜かれたような気がした。別に聞かない。お兄ちゃんの好きだった歌が別に好きなわけでもない。でも全部お兄ちゃんの思い出だし、お兄ちゃんが”聞いていた”歌だし、別に目につくところに残しておかないでも、でも、またもし、その思い出を誰かと共有したいと思える日が来たら、その時に無いのはあまりにも悲しいから。「萌の部屋運ぶね」って言える萌ちゃんは間違いなく、いい妹大賞ナンバーワンだね。そして、想に聞かないで捨てといてって言うお母さんの気持ちも分かる。どっちも想のことを思ってのこと。どっちも想のことが大好きなだけ。ただ、それだけ。

 

 

 

残りのダンボールを持って来たお父さん。

「コンコンっ」って口で言って入ってくるの可愛い。「ありがとう」ってちゃんと言える萌ちゃんもいい子。

 

「え、手伝って大丈夫?お母さんに怒られない?」

「バレたら怒られる」

「浮気と一緒だ〜〜〜」

「お父さん、浮気したことないから」

「ふぅ〜ん」

 

何気なく開けたダンボール。割れたCDケース。

もう2度と聞かないと言う意思表示かのように思える。

人の気遣いができる思いやりのある萌ちゃんにはそのお兄ちゃんの意思表示がわかってしまう。黙ってそっと蓋を閉じるお父さん。「大丈夫だよ」って別に言葉では言わないけど、でも安心させるかのように頭をぽんぽんって撫でるお父さん。でもそれもあいまって、涙が流れる萌ちゃん。必死に泣かないように、声を押し殺して泣く萌ちゃん。優しすぎるよね。このドラマに出てくる人たち、みんな優しすぎるから。痛いくらいに気を使って、人の気持ちがわかりすぎてしまうから。だから苦しいけど、でもいつもこのドラマで見る涙は綺麗だよね。

 

 

待ち合わせする紬と想。

まっすぐに、想をみる紬。

そう言うところが好きなんだよって、想の声が聞こえた気がした。

 

 

第5話で、「顔を見て話したい」と紬のバイト先に来た想。「今は佐倉くんの顔見るのつらい」と返した紬。まっすぐに、顔を見て話すふたりだから、あの時、想は「顔を見て話したかった」し、紬は「顔を見て話したくなかった」

んだなあと思って、また第5話を見て泣いた。

 

 

聞きたいことをはっきり聞く紬。それも紬っぽい。いつだって紬はまっすぐで、疑う前にちゃんと本人に聞く。

 

 

 

 

ショーウィンドウで見つけたハンドバック。綺麗な青のバック。

最初、このシーンを見たときは、ん?なに?欲しいの?想におねだりでもすんの?なんてまあ〜小汚いことを思っていた私を本当、まじぶん殴ってやりたい。想から来たLINE。嬉しそうに返す奈々。辛い。

 

 

「想くんから誘ってくれるの久しぶりだね」

「ちゃんと話したいことがあって」

 

奈々とは対象的に真剣な顔の想くんに、もう何が言いたいのか、何を言われるのか悟る奈々。言われちゃったらもう、側にはいられないから。だから、聞かないようにする奈々。メニューから顔をあげない奈々。

 

 

「最近よく二人で会う人がいて」

「イヤホン拾ったあの女の子でしょ?あの子の彼氏、友達なんでしょ?ダメだよ。喧嘩になるよ。」

「別れたって」

「へえ、昔の恋人と昔の親友、想くんと再会したせいで別れちゃったんだ」

「ずっと奈々の気持ち無視して曖昧にしてたけど、」

「迷惑かけると思うよ。想くんのことかわいそうだから優しくしてくれるだけだよ。18歳で難聴になって、23歳で失聴した女の子探して恋愛した方がいいんじゃないかな。高校生の時はどんな音楽聞いてた?うんうん、なるほどね、あれいいよね。新曲聴けなくて残念だね。聞こえなくなっていくの、本当に怖かったよね。でも、君と出会えたから頑張って生きていこうと思えたよ。そう言う話できる相手探しなよ。どうしたの?手話わかんない?筆談しようか?」

「……」

「あの子に、聞こえない想くんの気持ちはわかんないよ」

「奈々、よくそう言うこと言うよね。自分はろう者だから、聴者とは分かり合えないって。恋愛もうまくいかなかったって」

「だから何?」

「だったら、俺とだって分かり合えないよ。聴者でも、ろう者でもない」

「そうだね。私も想くんもあの子も、誰も分かり合えないね」

 

 

 

一番最初に出会ったとき、「同じ」って伝えあった二人が、「分かり合えない」っていう会話をする世界線、辛すぎない?夏帆ちゃんの、悲しそうに、でもそれを悟られるのも辛いから必死に隠して、隠しきれなくて、きついこと言っちゃって、そして自分もまた傷つく演技がもう圧巻だった。手話もそうだけど、もう全部すごすぎて見入っちゃった。目黒くんの、想の、大事な大事な友達に、辛いことを言われた表情も全部全部苦しかった。怒ってるような、悲しんでるような、必死に全部受け止めようとするけど漏れ出ちゃってる感じとか、表情だけなのに、二人とも、こんなにこちらを苦しくさせるんだなって、とにかく辛かった。

 

 

 

ハンドバックを手に、スマホで電話する奈々。

お互い近くにいるはずなのに見つからないから電話して探す二人。

合流して、バック持ち替えて、それを見て手を繋いでくれる想くん。幸せしかない世界。そして、奈々が絶対にできない世界。

 

ハンドバックの意味、そういうことか…って脚本に脱帽した。

そして、途轍もなく苦しかった。

 

 

 

 

前に想くんが見せてくれた手話教室のチラシのことを覚えていて、思わず紬に会いにいく奈々。名前を聞いて、電話の人だと悟る紬。カフェに入る二人の顔がどちらもこわばっていて、緊張感が伝わってくる。何の手間もかけないで注文する紬。フォークが無いだけで、奈々は一苦労するのに。

 

 

「想くんにも手話教わってる?」

「はい。私、まだ全然できないから、よく、間違ってるよって教えてくれます」

「私が想くんに手話教えたの」

「はい。ちょっと聞いてて。大学生のとき、知り合って、手話教えてもらったって」

「プレゼント使い回された気持ち。」

「え?」

「好きな人にあげたプレゼント、包み直して他人に渡された感じ。想くんどんな声してる?聞いたことあるでしょ?どんな声してるの?電話したことある?」

「でんわ…はい。高校生の時」

「いいね。羨ましい。たまに夢に見る。好きな人と電話したり、手繋いで声で話すの。憧れるけど、恋が実っても、その夢は叶わない。恋も叶いそうに無いんだけどね。」

 

 

耐えきれなくなって、思わず飛び出す奈々。

泣きそうになっている紬。

 

 

どうして?何でここまで言うの?って思ったら、回想シーン。

 

大学生の頃の想と奈々。

 

「最近、筆談いらなくなったよね」

「確かに、手話だけになった」

「それが目標だった。奈々と手話だけで話せるようになるのを目標にして手話覚えた」

「まだ全然下手くそだけどね〜」

「奈々にだけ伝わればいいから」

 

 

残酷だよ。

でもこの時の想は本心だったはずで。この時の想は、奈々が唯一の友達で、光だった。奈々がいれば、もう他には何もいらなかった。”友達”と話したいから、覚えた手話。それを使うのは奈々だけでよかった。それに何も嘘はない。

 

 

でも、今となっては残酷。

そんなこと言われたら好きになっちゃうし、想くんはずっと自分のためだけに手話してくれるんだって思っちゃうし、だって、そう言われたし。

それを、元カノに、ましてや耳の聞こえる人に、教えて、手話で会話してるなんて、”プレゼント使い回された気持ち”にどうしたってなる。むしろこの表現以外にある?ってくらい。それだけ残酷で、苦しい。

 

 

 

電話が鳴る。

思わずあたりを探す奈々。走ってくる想。夢にまでみた光景。

 

電話を耳に当てる奈々。

聞こえるはずない。聞こえるはずないけど、そうせずにはいられない。

 

追いかけてきた紬。見たことない顔して困惑する想。

奈々の心の本音を想は知らない。

電話に耳を当てて、意味がわかるのは、紬だけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今までの辛いや苦しいは、心がキュって締め付けられる、恋のどうしようもない気持ちだったけど、今回は何だろ、苦しいも辛いも意味がちょっと違って、でも言えるのは、結局とてつもなく苦しかった。お、今回は目黒くんのターンだなって思って見始めたのに、奈々のターンで、もう主人公って誰だっけ?ってくらい出てくる人みんなの気持ちがわかって辛い。それだけ一人一人丁寧に描いていて、誰一人置いてかない。むしろ置いてってよって思うくらい、全員の気持ちに共感してしまう。苦しい。

 

来週は想と紬の関係性も少し変わってきそうな展開。

楽しみ。もう終わるのが寂しくって、見たい気持ちと見たくない気持ちのせめぎ合い。でもやっぱり早く木曜日こないかなあ〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第5話の「silent」はずっと泣いてた

 

紬と湊斗。ビブスを干すふたり。さっき別れ話をしたと思えないくらい自然に会話するから、時系列が分からなくなってくるけど、やっぱりさっき別れ話をしたふたり。

 

昔の恥ずかしい手紙の話に、「やめて〜」ってビブス投げる川口春奈ちゃん、リアルすぎてここだけで優勝だと思った。

 

 

 

長い長い後ろ姿だけのシーン。

紬の表情も湊斗の表情もよく分からない。だけど、なんとなく想像できる。なんとなく、想像させるのすごい。

 

 

8年前の手紙の内容を、しかも自分宛じゃない手紙の内容を、覚えてるだなんて、この8年間本当にずっと、ずっと湊斗は紬のこと好きだったんだね。

 

 

 

「よかった。そんなキモい手紙見られなくてよかった。」

「その頃もう、好きだったんだよね。紬のこと。想より前から。戸川くん、戸川くんってよく話しかけてくれたけど、話の中身、全部想のことだし。」

「ねえ」

「想の話じゃないにしても、何組の何とかちゃんが戸川くんのこと好きらしいよーって。いやいらないし、その情報、俺が好きなの、2組の紬ちゃんだしっていう」

「その頃の話はいいじゃん。今のことちゃんと話そう。今っていうか、今後のこと」

 

 

ここで、この時、初めて紬は、湊斗が学生のときからずっと、想が紬を好きなる前からずっと自分のことを好きでいてくれたこと、知ったのかな。付き合い始めたとき、いつから好きだったの?なんて話したのかな。もし、このとき初めて知ったのだとしたら、それまでずっと自分の思いを話さずにいた湊斗の気持ちを考えると切なすぎる。別れる時に、初めて言うの、辛すぎる。

 

 

 

 

 

何回見ても、どの場面でも、泣く芝居がうますぎて、川口春奈ちゃんを胴上げしたい(言葉のボキャブラリーがなさすぎて最大限の賞賛がこれだった)

別れたくない、嫌だ。何でそんなこと言うの。って、そんな言葉が聞こえてきそうな表情で泣くから、ビブス投げるから、私も泣いちゃう。何で?湊斗何で?って。

 

 

 

誰が見ても、8年経っても、お似合いな紬と想の間で、どんなに自分が紬のことが好きでも、紬の、今の好きな人が自分でも、どうしても不安になってしまう気持ちと、いつか、本当に二人がもし両片思いになってしまった時の絶望に耐えきれなかった気持ちとかせめぎあって、これだけの固い思いになったのかな。だってここの別れを告げるシーンの湊斗、今までと全然表情違ったもん。今まで紬の弟みたいに見えてたのに、紬よりも全然大人でかっこよくて凛としてたもん。

 

 

 

河川敷で涙を流す紬。

駆けつけるマコ。マコちゃんの表情と寄り添い方っていつも100点満点なんだ。余計なことは言わない。ただただ隣にいてくれる。こう言う友達は、一生大事にしないといけないって私が私に言い聞かせた。

 

 

 

 

 

朝が来て、起きる紬。朝ごはんを食べる紬。

想から返してもらったイヤホンから流れたのはスピッツの「みなと」

思わず朝ごはんを食べるのをやめる。湊斗に電話する紬。いつだって、なんだって、空腹は選択を狂わすから。ちゃんとご飯、食べてる時じゃないといけない。

 

 

 

 

 

萌ちゃんと光くんのシーン。

本当に姉兄思いのふたりだよね。

 

「誰?友達?」

「お兄ちゃんの元カノの弟」

「余計な口出しすんのやめなよ」

「お兄ちゃんのせいにされてるんだもん。そういう雰囲気なんだもん。誰のせいでもないのに」

「誰のせいでもないことが一番厄介なの。そういうもんなの」

 

 

 

「誰のせいでもない」って言える萌ちゃんはイマドキの可愛いおてんばな女の子かと思いきや、すごく周りを見てる優しい子よね。なかなかお兄ちゃんのために、こうやって元カノの弟に会いに行ったりできない。そしてお母さんの言葉。そうだね。そういうもんだよね。だからこんなに、みんな苦しい。

 

 

 

 

 

 

古賀先生と想くんのシーン

 

「戸川と、青羽にも、ふたりなりの考えとか関係性とかあって、それは、何年だ?8年とか?全くふたりを見てなかった佐倉に、わかるわけないと思うよ」

 

 

一瞬、突き放すかのように聞こえる言葉だけど、これが全てなんだよね。

お母さんが言っていた「誰のせいでもないことが一番厄介」と同じ。こうなってしまったことは誰のせいでもなくて。こればっかりはもう、正直、想くんができることは何もない。二人のことに対して、何かを言うことも、することも、許されない。許されるのは、想くんが、想くんの気持ちのままを生きるだけなんだと思う。

 

 

 

 

湊斗の家で、自分のものを片付ける紬。

いつもだったら手伝うだろうけど、仕事していてそちらを見ない湊斗。

 

 

 

「あれ、これ湊斗買ったやつ?私?」

「ん?青羽のでしょ。固め」

「……じゃあ持って帰ろ〜」

 

 

 

「青羽」と呼ぶことで、関係性を終わらせた湊斗。それに気づいて、ふてくされたかのように相槌を打つ紬。紬はまだ「戸川くん」とは呼べない。呼ばない。

 

 

 

付き合い始めた頃を思い出すふたり。

紬の記憶は曖昧なのに、湊斗は正確に覚えてるの、本当にずっとずっと、紬のこと好きだったんだなあって思って辛い。

 

 

「で、どうする?」

「何を?」

「別れる?」

「別れるよ」

「マジか」

「マジだよ〜」

「え。これってもう、別れてんの?この、今の状況」

「別れてるよ」

「ああ別れてんだ。そうなんだ。ギリ付き合ってんのかと思ってた」

「ギリ別れてるよ」

「あら…」

「さっき言ってたじゃん、自分で。片思いって」

「そうだ、言ったわ。言った、言った。本当に片思いなんだ…」

 

 

最後の言葉には頷かない湊斗。

 

 

少しずつ、少しずつ別れを自分に落とし込んでいって、でも信じたくなくて、明るく言葉にするけど、それが返って現実を突きつけて来て、なんか本当、こんな会話、過去の彼氏としたことないけど、過去に、いつか、こんな会話したような気分になってくる。そうだよなあ〜あの時の自分もそう思ったなあ〜って。そんな、こんな切なくておしゃれな会話して別れた経験なんかないのに、なぜかそう思ってくる。

 

 

 

 

「いいよ。持ってく、アパートまで。重いし」

「女の子にはね、ちょっと優しくない方がモテるよ」

「次の人のとき気をつける」

「…やっぱ、運んでもらおうかな」

 

 

「次の人」なんて意地悪言う湊斗に、ちょっと意地悪し返す紬の気持ち、すごいわかる。意地悪って言うか、なんて言うか、こうやって引き止めてるんだよね。いろんな意味で。こういうリアルな描写が、同じ経験なくても、ああ〜わかるわかるってなるんだよね。

 

 

 

「一人で全部持てる?」

「うん、持てる」

「うん」

 

 

「一人で全部持てる?」荷物、にも、これから、にも掛かっていて辛い。

手が離れて、全部ここで終わりなの辛い。

 

 

 

 

 

手話の「片思い」が本当に絶望すぎて思わず考えた人すごい!ってなってしまった。

それに気づく紬は今絶望真っ只中だから。

 

 

 

「普通に、声で話せるんですけどね。湊斗とは」

 

 

ここのセリフがすごく印象的。

風間ぽんの「湊斗くん、まるで青羽さんは自分のことそんなに好きじゃないみたいな言い方するから」って言葉を聞いた紬の、悲しそうな顔。湊斗と付き合ってた数年間、確かに湊斗のことを好きだったのに、ああ、それ、伝わってなかったんだなあっていう悲しさと悔しさ。もうどうしようもできないもどかしさ。全部全部含めたこのセリフ。ここ、本当に川口春奈ちゃん、うまいよね。

 

 

 

 

言葉の難しさを痛感する。

紬と想のシーンでも思うけど、言葉って文面だけじゃ伝わらないんだよね。

声のトーンとか表情とか、その背景にある思いとか、全部全部合わさって、言葉になるんだよね。本来は。声で話せるか、話せないか、じゃないんだよね。文字だけじゃないんだよ。

 

 

 

 

湊斗とマコのシーン。

 

ここの湊斗くんの表情が、やっぱり今までの、4話までの表情と違って、すごく引き込まれた。そしてマコちゃん、とってもいい友達だよね。

 

「女の子をキラキラさせる男ってすげえなって思ってたんだけど、でも、ね、ポワポワさせるのもね、なかなかの才能だと思うけどね。だから、私は…、他人の私からしたら、この3年の紬、幸せそうで嬉しかったけどね」

 

 

 

「やり直しなよ」とも、「なんで別れたの?」とも言わずに、ただただ「この3年の紬を見ていての〝自分″の感想」を、湊斗にぶつけるでもなく、中間にポンって置くような感じで話すマコちゃんは、本当に本当に素晴らしくできる友達。なんて優しい友達。大好き。

 

 

 

 

想のお母さんとお姉ちゃんのシーン。

 

「ごめんね。お母さんは、想の本音が聞きたいのにね。ごめんね。私たちばっか喋って。」

 

 

萌ちゃんも、お姉ちゃんも、想のこと大好きだけど、あまりにもお母さんが想のことばかり気にかけて、「想、想」っていうから、ずっとずっと色々思っていた部分があったんだろうなあ。でも同時に、お母さんが想のことを気にかけてしまう気持ちもわかるから、しんどい。このドラマの登場人物って全員気持ちに共感できるからいつもいつもしんどい。

 

 

 

 

 

紬のバイト先の前で待ち伏せする想。

 

「どうしたの?」

「LINE、返事ないから」

「ごめん、忘れてた」

「湊斗」

「ん?湊斗が何?」

「……」

「ごめん、って言おうとしたでしょ。喧嘩したとかじゃないし、なんか、平和に、円満に、別れたから、全然大丈夫だから」

「どこかでゆっくり話せる?」

「これから仕事だから、なんかあるならLINEしといて」

「仕事の後、時間ある?」

「だから、LINEしてくれればいいから。休憩の時、返すから」

「顔見て話したい。顔見て話したいから、会いに来た」

「……今、佐倉くんの顔見て話すの、つらい」

 

 

 

 

 

今までの紬が、想に見せて来た表情や声色ではない、ちょっと苛立ったもの。

別に想くんに苛立ってるわけではないけど、このどうにもならない気持ちとか、もうぶつけようもない思いが、自分の中で消化できないまま、「話したい」って言われると、どうしていいかわからなくて拒絶してしまうのすごくわかる。手話で会話する二人にとって、表情ってすごく大事だから、顔と顔をあわせると、全部全部ばれちゃうから、だから会いたくない。今は一人になりたい。

 

 

 

 

ハンバーグをこねる紬。

 

「何人分あるの?」

「ふたりで食べて、残りは明日。」

「湊斗くん呼ぼっか」

「ふたりで食べて、残りは明日。」

 

 

 

念を押す言い方に、それ以上は何も言わない光。

掛かって来た湊斗からの電話。姉の元に持って行ってスピーカーにする光、できる子。

 

 

 

ここからは圧巻。圧巻の電話シーン。

公式twitterで明らかになりましたが、この電話のシーン、本当に同時に電話して撮ってるんですってね。だからこその、この圧巻の二人の演技。もうずっと、いや、もうこのシーンになる前からずっと、5話の放送始まった時から、あのビブスのシーンから、ずっと泣いてた。

 

全部全部文字起こししたいくらいなんだけど、ちょっと私のタイピングついていけないので割愛しますが、そのくらい、どの言葉も省きたくないくらいこの長回しのワンシーンは圧巻でした。というか、この5話がもう圧巻の5話でした。一番好きな回でした。

 

 

 

ちゃんと最後に、自分の気持ちを湊斗に伝える紬。

自分でも自覚するくらい、ポワポワしてた紬。

 

 

 

「好きだったよ。戸川くんのこと、好きだったよ。この3年間、ずっと、一番好きだった人だよ。」

 

 

ここで涙が急にぽろっと流れる川口春奈ちゃんってマジで天才すぎる。

この長回しのシーンをずっと川口春奈ちゃんで持たせるの天才すぎるし、それに耐えうるのが天才すぎる(ボキャブラリーがない)

そして、湊斗の「うん」も同じくらい天才。この人、「うん」のパターン何個もってんの。何回、何百回、こうやって、紬の話にうんって相槌打ってきたのかが分かる。想像できる。

 

 

 

ずっと言えなかった、終わらせられなかった紬が「戸川くん」っていうことで、紬の、湊斗との恋が終わりを告げる。湊斗は湊斗で、「青羽」って呼んだタイミングで、紬は紬で「戸川くん」って呼んだタイミングで、それぞれ終わらせた。でも、今、この電話で、二人の恋が終わった。

 

 

 

「家届けようかなってちょっと思ったんだけど、電話にしてよかった。顔見たら泣いてた」

「え?なんで泣くの?意味わかんない」

 

 

お互いが電話の向こうで泣いてるのなんて知ってる。そんなの気づいちゃうくらい、ふたりはお互いのこと知ってるし、3年間恋人として一緒に過ごしてきた。でもこうやって強がらないと、もう慰めることはできないから。終わらせないといけないから。

 

 

 

 

苗字呼びに変えて、終わらせた恋のシーンの後に、名前呼びに変えて恋が始まったシーンを描くの天才すぎて胴上げしたい(これが私の最大限の賞賛の言葉)

 

 

白くてふわふわしたやつが思い出の品じゃないかなって思って電話した湊斗くんと、捨てていいよって言った紬。思い出の品じゃん。めちゃくちゃ思い出の品じゃん。ここで全部全部回収していくのしんどい。天才すぎてしんどい。

 

 

「好きな人が言う可愛いはね、強いから、威力が。中学生の時に買ったヘアピンも、捨てられなくなる」

 

 

「食べちゃおう、お腹減った」

 

電話を切った後、ちゃんとお腹が減る紬。

朝起きて、「お腹減った」と呟く湊斗。二人とも大きな決断をした証。生きるってこう言うこと。お腹が減るってこと。

 

 

 

身支度をしながら、ポニーテールにする紬。

一度結んですぐに解く。

「想はね、ポニーテールが好きです」の湊斗の言葉を思い出したのかな。

思い出したから結んだんじゃなくて、思い出したから、解いたのかな。

 

 

想が待ってるカフェに行く紬。

 

「来ないと思った」

「来てって言ったじゃん」

「顔見たくないかなって」

「大丈夫、見れるようになった」

 

 

ここの川口春奈ちゃんの表情が、あのタワレコの前での表情と全然違って、本当に何か吹っ切れたような、すっきりとしていて、ああ本当に全信頼しかない、この女優さん…って思った。

 

 

 

ノートに自分の思いを書いて来た想。

「2人が別れたの俺のせいだと思って」

「再会しなければよかったと思った」

「ごめん」

「でも、青羽が手話で話してくれることも」

「湊斗たちとまたサッカー出来たことも」

「うれしかった」

「青羽と湊斗には悪いけど」

「やっぱり再会できてよかったと思う」

「8年分の思ってたこと伝えたいこと」

「これからは全部言葉にしようと思ってる」

「青羽が俺のこと見てくれるならちゃんと言葉にしたい」

 

 

別にノート1ページに全部書いてしまっても良さそうなところを、1ページずつに分けることでちゃんと会話になってる。紬の表情を見ながら、次の言葉を届けられてる。ちゃんと紬と想の会話になってる。高校生の頃、「言葉」と言う作文を書いた想くんだなって思った。

 

 

ここの目黒くんの表情もすごくいい。

タワレコのときの真剣な顔もいいけど、この1ページ、1ページ、ページをめくるたびに表情で会話してるの、すごくいい。うまい。

 

 

「すっごいお腹減ってる」って言う紬に、「すぐ店決めるからちょっと待ってて」っていう想くん、私の彼氏になって(やめなさい)

この人モテるわって言うのがこの会話だけでわかるのすごい。全モテの代表、佐倉想すごい。

 

 

 

「やっぱりなんでもよくない。ハンバーグ、以外にして」

 

 

 

思い出のハンバーグ。湊斗と一緒に食べたハンバーグ。

それは湊斗との思い出だから、だから、それ以外にして。

 

 

 

 

 

 

第5話。過去の中でいちばん好きな回でした。

プロデューサーさんも、こういう回を作りたいと思ってできた回的なことを言ってましたが、本当に本当に大好きな回でした。

だって本当に最初から最後までずっと泣いてたもん。もうどのシーンとかじゃなくて、ずっと泣いてた。

 

来週からは今まで想くんがどういう8年を過ごして来たか。

予告だけでも、辛くて切ないけど、来週も楽しみにしてます。